サーボモーター受注、「6―8月には前年比プラスに」(安川電機社長)

小笠原浩氏に聞く「(中国の設備投資)実際に相談件数も増えている」

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サーボモーターの基幹工場である入間事業所(埼玉県入間市)
 ―工作機械や半導体製造装置など幅広い産業機器に搭載されるサーボモーターの動向をどう見ていますか。
 「大まかな受注状況は2018年7月から9月にかけて落ちてきたが、10、11月に少しずつ上がり、12月にもっと上がると予想していたのが、上がり切らなかった。マクロ経済などでこのまま大きな変化がなければ、自動化や省人化需要を背景に18年12月のような状況がじわじわと続き、19年6―8月あたりに受注が前年比プラスに転じる可能性もある」

 ―中国で設備投資を様子見する動きは。
 「様子はまだ見ているが、そわそわする感じに変わってきた。実際に相談件数も増えている。全体の事業環境について予測するのは正直難しいが、自動化需要が増えていくことは間違いない。16―17年は需要が急速に盛り上がり、各社が必死に生産量を増やした。そのころと比べると需要の傾きが寝てきてはいるが、それでも確実に増えている」

 ―モーターやロボット、センサーから得られるデータを工場内のエッジ領域で収集・分析するソフトウエアツール「ヤスカワコックピット(YCP)」を投入しました。
 「YCPは統合業務パッケージなど上位システムとも連携できる。その一環として日本IBMと協業し、同社のクラウドでデータを分析するIoT(モノのインターネット)基盤と、YCPとの連携を可能にした。例えばYCPで集めたデータをIBMの基盤で解析して分析モデルを作り、YCPで運用することで設備の故障予知などを実現できる」

 ―IBMと販売面でも連携しています。
 「IBMは製造業で上位の基幹システムを、当社は工場にサーボモーターやロボットなどの自動化(FA)機器を数多く納めている。互いの顧客基盤を活用し、YCPなど両社がそれぞれのIoT関連製品を提案する取り組みを始めた。日本だけでなく、欧米にも展開していく」

 ―中国の奇瑞汽車グループとの電気自動車(EV)分野の取り組みが本格化します。
 「現地の合弁会社でモーターやインバーターを組み合わせたEV向け電気駆動システムを2月から量産する。最終的に年5万台の生産を目指すが、技術動向を把握する狙いも大きい。見ておきたいのは車でのモーターの使われ方や、車の作り方の変化。例えばEVではマフラー溶接がなくなるが、車体フレームの溶接は残る。車の作り方が変わる中で、どのような溶接ロボットが求められるかなどを学んでいきたい」
小笠原浩社長

【記者の目】
 日本IBMとの協業や、18年12月に次世代生産工場「安川ソリューションファクトリ」(埼玉県入間市)を本格稼働するなど、IoTへの取り組みを積極化する。20年には北九州市の本社に研究開発拠点「安川テクノロジーセンタ」の新設も予定する。グループの技術シナジーを最大化し、モーター、インバーター、ロボットなどの進化を加速する。
(西沢亮)

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日刊工業新聞2019年1月31日

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