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パノラマ写真で再現したVR空間を歩く

大日本印刷、美術展を再現
 大日本印刷は、グラフィックアートの展示会を撮影したパノラマ写真から仮想現実(VR)空間を制作し、展示品を観覧できるコンテンツをインターネット上に公開した。同一空間を撮影した複数枚の写真から被写体の位置を解析し、VR空間を作る技術を活用。不自然な画面の切り替わりや表示の歪みを抑えた。同社のウェブサイトで6月9日まで配信する。

 コンテンツの制作期間は約1週間。同社によると、コンピューターグラフィックス(CG)を使用すると制作に1カ月以上を要するという。また、制作費用もCGの10分の1程度としている。今回は、同社の美術館「CCGA現代グラフィックアートセンター」(福島県須賀川市)で開催中の「ヘイセイ・グラフィックス展」(会期は6月9日まで)を再現(写真)した。

 今後は、歴史的建造物のアーカイブ(保存記録)や工場施設・不動産物件の見学などのコンテンツを制作する計画。並行し、コンテンツを配信する情報基盤(プラットフォーム)への展開を目指して技術改良を進める。企業の販売促進用のVRサービスやコンテンツ配信サービスへの技術提供も見据える。
日刊工業新聞2019年4月8日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
公開されているコンテンツでは、パノラマ写真を撮影した2地点間を移動するように展示品を見ることができます。制作時間の短縮や費用の低減によって、スマホなどで楽しめるVRコンテンツが今後さらに増えるのでしょうか。

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