防衛技術でも専守!経産省が模倣対策で狙う一石二鳥

輸出拡大も視野に

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先進技術実証機「X―2」
 経済産業省は防衛装備品の輸出拡大を見据え、重要技術の流出防止策を拡充する。製品を分解して模倣する「リバース・エンジニアリング」の対策に向け、暗号化など対抗技術の調査を2019年度から拡大する。政府は防衛装備品など機微技術の海外移転を進めているが、技術管理体制が不十分な国では流出のリスクがあった。国産の機微技術を守りつつ、適切な輸出の拡大につなげる。

 リバース・エンジニアリングは先端の機微技術を模倣するため、製品を分解したり、ソフトウエアを解析したりして、仕組みや部品、要素技術を把握する行為。政府は防衛装備品・技術移転協定をアジアや欧州の国々と締結し輸出拡大を進めているが、こうした行為への対策がなければ重要技術を盗まれる恐れがある。

 経産省は18年度から有効な対抗技術の調査に着手。無線機やレーダー、無人の水中移動機など五つの分野の部品を対象に、流出しないようにする技術を研究した。19年度は調査対象として、長距離でも使える見通し外通信技術と、物体を識別するシーカー技術の二つを追加する。また既存の五つの技術については、19年度からコンポーネントや製品全体の調査も始める。

 対抗技術としてはソフトを暗号化したり、特殊ネジを使って分解を困難にしたりする内容を想定している。有効な対抗技術を把握した上で、製品・部品のメーカーに活用を促す。将来は、指定の対策を輸出許可条件にすることを目指す。産業界では技術流出策の調査や実施が遅れており、政府が主導することで適切で安全な輸出を後押しする。

 政府は、武器輸出三原則に代わる新たな方針として防衛装備移転三原則を14年に制定。防衛装備品の輸出を従来の原則禁止から条件を満たせば認められるようにした。フランスやインド、フィリピンなどと相次いで協定を締結。輸出拡大が見込まれるが、一方で技術管理が不十分な国では技術流出を懸念する声があった。

2019年4月5日(政治・経済)

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