生産性が3倍に、竹中工務店が開発した墨出し自走ロボの実力

他社建設現場を含め幅広い普及を目指す

 竹中工務店は自走式墨出しロボットを開発した。OAフロア1点当たりの墨出し速度(所要時間)を同社従来機の98秒から33秒に短縮し、約3倍の生産性を実現。簡易な構成で小型・軽量、機器コストの低減を追求した。2現場で実証し、描画精度は平均2ミリメートル以下と作業員の作業と遜色がない。今後、製造・販売面の協業パートナーを募り、実用化に向けた課題を解決し、他社建設現場を含め幅広い普及を目指す。

 墨出しは仕上げや設備工事で工事の基準となる線、位置を床や壁に表示する作業。従来機は低い生産性や高い価格が課題だった。

 開発品は測量機にプリズム追尾型でなく安価な市販の3次元レーザー測量機を使い、ロボットのずれは光拡散板に当たった可視光レーザーをカメラで計測する。ペンプロッターを採用し維持費用も低減。XY軸移動用のモーター2個とリチウムイオン電池を搭載し、重量は約17キログラム。

 作業手順は人が墨出しデータを作成し、ロボットのノートパソコンに入れてWi―Fi(ワイファイ)で測量機に送信。測量機がレーザーで墨出し地点を指定し、その情報を受け取ったロボットが目的地に自走して墨出し作業する。描画しない時の移動速度は毎分6メートル。100平方メートルの墨出しは約4時間で完了する。夜間に無人稼働することも可能だ。

 メルセデス・ベンツ日本と竹中工務店が協業した体験施設「EQ House」や、事務所ビルの建設現場に試験導入し、実用化にめどを付けた。

 今後、外装や墨出し用データ自動作成などを改善する。併せて協業企業と連携し、OAフロアのサポート、設備用アンカー、間仕切り壁以外に、軽量気泡コンクリート(ALC)の壁、火災報知機など設備用器具に幅広く対応できる製品にする。

日刊工業新聞2019年4月5日

  

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