クラボウが狙う繊維「コト売り」の勝算

単体売り中心から脱却

 クラボウは祖業の繊維事業の成長戦略として、素材の単体売り中心からの脱却を図る。素材技術を用いた製品による体験や経験を売る「コト売り」を加速させる。導電性繊維を用いた同社のスマート衣料「スマートフィット」などの独自技術を活用し、用途開拓や顧客のニーズ解析などを担う専門組織を4月に立ち上げた。専門組織で新たなビジネスモデルを構築していく。

 1日に繊維事業部内に新設したのは、20人で構成する「事業推進部」。同事業部でスマートフィットや、生地の裁断くずを回収し新たな資源にする取り組み「ループラス」などの素材技術を用途展開する。

 クラボウのコト売りとして18年にサービスを始めた、暑熱環境下における作業リスクの管理を支援するシステム「スマートフィットフォーワーク」は建設・運送業向けに展開中だ。自動車や鉄鋼、教育現場などからも引き合いがあるという。

 国内の人口減少やアパレル市場の不振などの影響で繊維販売は頭打ちにある。一方で繊維の類似品が出回るのも早く、迅速な高付加価値製品・サービスの開発が求められている。事業推進部では今後、市場ニーズや技術を応用し、繊維事業の活性化を図る。

 同社の藤田晴哉社長は「顧客のモノづくり現場は1―2年で状況が変わる。高機能な繊維を開発するだけでなく、コト売りの仕組みが必要」としている。

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日刊工業新聞2019年4月5日

  

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