ファナックが金属3Dプリンター参入

中核ユニットを一括提供

 ファナックは金属3Dプリンター向け中核ユニットの提供を始める。制御装置やレーザー発振器の一括提供により高速制御を実現し、3Dプリンターの性能向上に貢献する。金属3DプリンターはIoT(モノのインターネット)と組み合わせた多品種少量生産への対応などで需要の拡大が見込まれる。金属3Dプリンターは欧米勢が先行するが、ファナックの参入により、市場が活性化しそうだ。

 金属3Dプリンターは、プリンターメーカーがレーザー発振器などを専門メーカーから調達して製品に仕上げる場合が多い。一方、製造業では金属3Dプリンターを単体で提供するだけなく、工作機械と組み合わせた複合機が増えている。

 工作機械用コンピューター数値制御(CNC)装置で世界シェアトップのファナックは、レーザー発振器も手がける。制御装置を含めて一括して提供することで、高い造形精度や生産性を実現する。

 レーザーを活用した金属3Dプリンターは一般的に、レーザーを照射して金属粉末を焼結または溶融し、金属層を重ねて造形する。ファナックはレーザーの照射位置や出力などを制御する装置、ファイバーレーザー発振器、レーザーを照射したい位置に導くスキャナーを開発する。制御装置は既に一部顧客に提供している。

 ファナックは11月に栃木県でファイバーと二酸化炭素(CO2)レーザー発振器の合計生産能力が月400台の新工場を稼働。同社製の工作機械用CNC装置で操作できるファイバーレーザー発振器を投入するなど、レーザー関連機器の用途開拓を進めている。

 金属3Dプリンターは航空機部品の製造などで導入が拡大。IoTを活用した多品種少量生産に伴う需要の拡大も期待される。

 米ゼネラル・エレクトリック(GE)や独シーメンスは2016年に金属3Dプリンターメーカーを相次ぎ買収した。富士経済の予測によると、樹脂を含む産業用3Dプリンター市場は、22年に世界で15年比5・4倍の6970億円に広がる。

日刊工業新聞2017年12月22日

明 豊

明 豊
12月25日
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先日、GEの金属積層造形事業部門のバイスプレジデント(VP)・ゼネラルマネジャーを務めるモハメッド・エテシャミ氏のインタビューを公開しました。「日本には巨大な自動車産業が存在し、工作機械やレーザー、電機産業も集積する。我々にとって機会は大きい。ただ、手遅れにならないうちに日本側で積極的に行動に移す必要があると思う」と。ぜひそちらもお読み下さい。

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