損保大手が東京に「デジタル推進組織」の狙い

三井住友海上火災保険、スタートアップと接点強化

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 三井住友海上火災保険の原典之社長は日刊工業新聞のインタビューに応じ、4月にもデジタライゼーションの推進拠点を東京に開設することを明らかにした。スタートアップやベンチャー企業、大学などとの接点強化に活用する。デジタル技術を取り入れた新商品やサービスを保険代理店に見てもらう場としても利用を見込む。

 拠点は東京・神保町に開設、名称は「グローバルデジタルハブ東京」とする。原社長はインタビューでデジタル技術を持つ企業や大学との連携強化の必要性を強調。社外に推進拠点を設けて、交流を促進する。原社長は「例えば(デジタル技術を活用し)代理店サポートの仕組みを作ったら、実際に見てもらえるようにしたい」との考えも示した。拠点を活用することで代理店に新サービスを説明する機会を増やし、利用促進につなげる。

 原社長はシンガポールで同様の拠点を2月に開設したことも明らかにした。同社はタイやベトナムなどアジア諸国でデジタル技術の取り込みを推進する。これらの取り組みを集約し評価する拠点を持つことで好事例を各国で共有するという。2018年は台風など自然災害が頻発し、損保各社は保険金の支払いが大きく膨らむ。

 原社長は自然災害をカバーする火災保険の料率改定について「一定上げないと持続可能なビジネスにならない」と述べ、引き上げの可能性に言及。一方、料率を上げる場合、経費削減など顧客の理解を得られる取り組みが必要との考えも示した。

 新種保険に関し、原社長は「中小企業に事業リスクをしっかりと説明し、積極的に補償を提案したい」と述べた。人員が限られる中小はサイバー攻撃などへの備えが不十分なことが多い。

 原社長は中小への提案強化に向け「販路を増やすことが重要」と述べ、商工団体や金融機関との関係構築を推進する考えを示した。既存の代理店に向けても商品研修などを充実し、新種保険の提案力を高める。

 あいおいニッセイ同和損害保険との商品の共通化について原社長は、「システムの開発やメンテナンス費用が大きく抑制される」と効果を強調、取り組みを継続する方針を示した。めどについては「一部をのぞき、21年度までにはほぼ終える」との見通しを話した。

日刊工業新聞2019年3月26日

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