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自動車保険にビッグデータ生かせ

三井住友海上が19年1月にも開始
 三井住友海上火災保険は主力の自動車保険で、ビッグデータ(大量データ)を活用した商品提案を2019年1月にも始める。これまでに蓄積した大量の顧客情報を分析しながら性別や年齢、運転歴、所有する車の種類などで、どのような補償や特約が好まれたかを調べる。これを基に自動車保険の更新を検討する人ごとに関心の高いプランを設計する。ビッグデータの分析で顧客の傾向を把握することで、効果的な商品提案につなげるのが狙いだ。

 三井住友海上火災は11月までに大量の自動車保険の顧客情報を集約するクラウド環境のシステムを構築した。このシステム上でビッグデータを一元管理し、同社のデータ分析を担当する専門社員がこれを解析する。

 自動車保険は補償や特約、関連サービスの種類が多い。通常、加入や更新を検討する顧客には補償内容や希望する保険金額などを組み合わせてプランを組み立てるが、プランの組み合わせが多く、顧客の要望を的確に捉えた設計は各社が抱える課題だ。ビッグデータの分析を通じて過去の顧客の契約内容を把握することで、年齢や運転歴などが過去の実績と類似する顧客に関心の高いプランを設計できるようにする。

 ビッグデータの分析結果を基に作成したプランは、19年1月以降に契約更新をする顧客に送付する案内書類に推奨プランとして記載し、訴求する。これまでも推奨を記載していたが、過去の実績を踏まえて作成したもので、個人ごとに組み立てたプランではなかった。

 これらの取り組みで、自動車保険を主に販売する自動車ディーラーなど保険代理店の提案力強化を支援する。新たなプラン設計のほか、プランの特徴などをまとめたセールストークの文書も同時に作成して代理店の営業員が使えるようにする。営業員は文書を活用して、より効果的な接客を目指す。

日刊工業新聞2018年12月11日

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