原子力研究開発機構が策定、30年先見通すビジョンの中身

オープンイノベーションが柱に

 日本原子力研究開発機構は30年先を見通した将来ビジョン「JAEA2050(仮)」を今夏にも策定する。オープンイノベーションへの取り組みを柱に位置付け、原子力機構の研究開発や原子力施設の廃止措置に対する認識、原子力人材育成の将来展望や方針などを盛り込む。原子力機構が自身の組織に対し数十年先の長期的な方針を示すのは初めて。長期的視点で職務を行える環境を整え、優秀な若手人材の確保を目指す。

 原子力機構の現在の中長期目標期間は2015―21年度の7年間。今後、原子力施設の廃止措置に長い期間を要することもあり長期的な視点が必要になる。これからを担う優秀な若手が職務を全うできるようにするため、今後30年先を見据えたビジョンの策定を決めた。若手職員や各部署からの意見を吸い上げ、外部の意見も聞きながらビジョンをまとめる。

 同ビジョンでは外部連携を強化しオープンイノベーションへの積極的な取り組みの推進を盛り込む。原子力と異なる分野との技術の融合、異分野の研究機関や企業との連携を促し、新しい成果を創出する。今まで原子力機構は原子力分野の中だけでの取り組みが多かった。

 すでに実施している事例として、税関での爆発物の検知などにも活用できる放射線の一種「中性子線」の利用や、次世代原子炉とされる「高温ガス炉」で水素を製造する研究などを実施している。今後、こうした異分野融合の取り組みを増やす。

 田口康副理事長は「原子力分野以外の人々と協力し、原子力技術と他の技術を融合させ新しいモノを作ることで、原子力分野以外の成果事例を増やす。原子力の枠を超えた“超原子力”の取り組みで世の中に役立つモノを作りたい」としている。

日刊工業新聞2019年3月19日

  

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