消費増税のポイント還元、キャッシュレス化は広がるか

楽天など「非金融系」参加も

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ポイント還元事業を機にカード大手などもようやく重い腰をあげた(キャッシュレス決済イメージ)
 2019年10月の消費増税時に政府が開始する、キャッシュレス決済のポイント還元事業に、クレディセゾンやJCBなど大手カード会社のほか、非金融系の決済会社が参加する予定だ。楽天は、電子マネー「楽天Edy」、2次元コード「QRコード」決済の「楽天ペイ」で参加することを決めた。他の企業も今月中にも機関決定する方針で準備を進めている。キャッシュレス化の一層の普及につながるか注目される。(浅野文重)

9カ月間実施


 ポイント還元事業は消費増税による消費の落ち込みを抑制するため、20年夏の東京オリンピック前までの9カ月間実施する。中小店舗では5%、大手系列のチェーン店では2%を消費者に還元する。

 ポイント還元を巡ってはカード会社と経済産業省の交渉が難航した時期もある。カード会社は還元時に、大規模店と中小店舗を識別するためのシステム対応が求められるため負担が大きい。さらに、カード会社が加盟店から受け取る手数料について、3・25%の上限を設定したこともカード会社の反発を招いた。

25年までに40%


 日本のキャッシュレスの普及は途上。16年のキャッシュレス決済比率は20%だった。08年の12%と比べると上昇したが、他国と比較するとまだ低い。韓国が89%、中国が60%と大きく水をあけられた状態。英国や米国とも比べても倍以上の差がある。

 国内のキャッシュレス化が浸透しない背景には、治安の良さや現金に対する信頼の高さなどの特殊性が指摘されるが、政府は25年までにキャッシュレス決済比率を40%に引き揚げる目標を掲げている。キャッシュレス化に向けた政府の意向に沿って大手カード会社なども重い腰を上げた格好だ。

 経産省はカード事業者、QRコードの決済会社などの事業者仮登録を20日まで募集する。一方、中小店舗の登録条件は4月までに資本金や従業員数などを設定して公表する。カード会社や決済会社の参加が広がれば、キャッシュレスの普及につながる可能性がある。

日刊工業新聞2019年3月19日

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