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人が聞こえない音で「ロボホン」20台を同時制御

シャープが技術開発
人が聞こえない音で「ロボホン」20台を同時制御

変なホテル大阪のロビーに常設されたロボホン19体。「ダンスして」と話しかけると踊りを披露する

 シャープは、人が聞こえない高い周波数の音で同社のコミュニケーションロボット「ロボホン」20台を同時制御する技術を開発した。音波のパターンを信号にし、複数台が協調して踊る、適切なタイミングで動きだす、といった指示ができる。イベント会場などWi―Fi(ワイファイ)通信などが不安定になりがちな場所で、電波に代わる機器間通信(MツーM)の手段として活用する考え。

 市販のスピーカーやロボホン内蔵のスピーカーから出せる、周波数20キロヘルツ超の非可聴音を信号にする。ロボホンが内蔵マイクで非可聴音を受け取り、特定の動きや発話をするようプログラムする。

 今回、エイチ・アイ・エス(HIS)子会社が新設した宿泊施設「変なホテル大阪 心斎橋」(大阪市中央区)で、ロボホン約20体を同時制御する技術を導入した。

 インターネット接続した1台のロボホンのスピーカーから非可聴音を流し、他のロボホンも制御する。1台ごとにプログラムを変えれば、同じ音波のパターンでも複数のロボホンがそれぞれ違う振り付けで踊る。

 さらに多くのロボホンの連動や、動画や音楽を流すプレゼンで非可聴音を出してロボホンを動かす仕組みを構築していく。

 機械同士がリアルタイムで連動するMツーMは通信の安定性が求められる。だが人が多く集まるイベント会場や工場では、混線や壁などの障害物で通信が難しい課題がある。
日刊工業新聞2019年3月15日

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