車載センサー「洗浄」に商機あり、部品メーカーが攻勢

コスト・実用性が採用のカギに

  • 0
  • 17
クラリオンが開発した車載センサー用洗浄システム「マルチ カメラ ウォッシングシステム」
 自動車部品メーカー各社が車載センサー用洗浄システムの開発で攻勢をかけている。車の周辺環境を検知するセンサーが雨や泥で汚れると検知性能が低下する恐れがあり、自動運転などの安全性確保に向け、完成車メーカーが洗浄システムを採用する機運が高まっているからだ。部品各社は自社製の車載センサーと洗浄システムを組み合わせて提案し需要を取り込む考えだ。

 クラリオンは複数台のカメラレンズの汚れを高精度に検知して、洗浄液と空気による混合ミストで自動洗浄する技術を開発した。専用の電子制御ユニット(ECU)が汚れを画像として認識する。汚れの程度に応じて、混合ミストをレンズに自動噴射する。1台だけでなく複数台のカメラに対応したのは同社として初めて。自動運転車を開発する完成車メーカーなどに提案する。

 一方、仏ヴァレオは自動運転の基幹部品であるレーザースキャナー向け洗浄システムの開発を進めている。ノズルの機構を最適化し洗浄液の使用量を抑えながら、センサーの表面に付着した汚れを均一に落とせるようにする。2020年頃の量産化を目指す。

 走行中に周辺環境を認識する車載センサーは自動運転や運転支援システムの安全な運用に欠かせない部品。車外に搭載されることが多いだけに、製品そのものの特性を高めるだけなく、雨や泥、虫の付着など汚れへの対策が課題の一つになっている。

 現状は一部の高級車のみに採用されているが、20年以降は普及価格帯への搭載が進む見通し。洗浄性能とコストの両面で実用性の高い洗浄システムを提案できるかが採用のカギを握りそうだ。
(文=下氏香菜子)

日刊工業新聞2019年3月11日

関連する記事はこちら

特集