外国人労働者、都市部への流出どう防ぐ

4月から改正入管法

 この4月から外国人労働者の受け入れ拡大を促す改正出入国管理法(入管法)が施行される。新制度では新たな在留資格として「特定技能1号」と「特定技能2号」を創設し、単純労働も含む外国人労働者を受け入れることなどが柱だ。受け入れを希望する職種は介護業、農業、建設業などが上位を占めるが、人手不足に悩む地方自治体は外国人労働者の都市部への流出を懸念する。

 政府は昨年末、外国人労働者の受け入れ拡大に関する基本方針と、2019年度からの5年間で介護など14業種で最大約34万5150人とした受け入れの分野別運用方針を閣議決定した。地方に配慮し、国が賃金の高い大都市圏への集中を防ぐための「必要な措置を講じるよう努める」ことも織り込んだ。転職は同じ業務などに限られる。

 基本方針では、生産性向上や国内人材確保に努めても、なお人材確保が困難な分野で外国人労働者を受け入れるとし、人手不足が解消された場合には受け入れを停止するとした。ただ、23年時点での人手不足見込みは145万5000人に上り、最大限受け入れても不足分の8割は埋まらない。

 分野別運用方針では業種ごとの上限人数を示した。介護が6万人と最も多く、外食業が5万3000人、建設業が4万人。雇用形態はフルタイムの直接雇用が基本だが、季節変動が激しい農業と漁業については派遣も認める方針だ。

 1号資格の在留期間は最長5年で、家族の帯同は認めない。一方、高い技能が求められる2号資格には家族の帯同を認め事実上の永住も容認するが、当面は適用しない。

 資格取得のための技能試験は業種や業務ごとに実施する。4月の改正入管法施行時に技能実習生からの移行者がない介護、宿泊、外食の3業種は同月から実施するが、その他の業種は来年度以降にずれ込む。

 安倍晋三首相は「悪質な仲介業者の介在を防止する措置など、制度の適正な運用のために必要な内容となっている」とし、外国人が暮らしやすい地域社会づくりなどの施策に211億円を計上した。受け入れ先の支援は入国前の生活ガイダンスや住宅提供、日本語習得支援、社会保障制度についての多言語での情報提供など。

 現在、企業や自治体などが受け入れている技能実習生は約31万人に膨れあがっているが、賃金の低さや勤務先を変われないことなどから失踪や犯罪も起きている。

 初年度となる19年度の1号資格として働く最大4万7000人の半数程度は、技能実習生からの移行が見込まれる。新制度では勤務先が変更できることから、地方で就労しやすい仕組み作りが急務となっている。

日刊工業新聞2019年3月5日

  

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