次世代の列車制御、JR東日本が海外方式の導入を断念

費用対効果が見込めず。国産「ATACS」推進

 JR東日本が仏タレスと進めていた常磐緩行線への運行管理・列車制御システム(CBTC)導入を断念したことが分かった。欧州企業が国内の鉄道システムを手がける初の事例として注目されていた。今後採用する次世代の列車制御は日立製作所、三菱電機と共同で開発した無線式列車制御システム「ATACS(アタックス)」を軸に進めていく。

 JR東日本は2020年の導入を目指してタレスと設計作業を進めていたが、技術課題と費用の面から実現困難と判断した。既存の運行管理システム「ATOS(アトス)」との整合性や鉄道無線で使う周波数の違いなどを克服するには設備投資がかさみ、費用対効果が見込めなかった。

 CBTCは無線式列車制御と運行管理機能を併せ持つ国際規格対応のシステムで、海外の地下鉄など都市鉄道に普及する。自動運転に展開できる技術で、国内の鉄道システムメーカーも開発や海外での営業に力を注ぐ。国内の鉄道事業者は22年に東京メトロが丸ノ内線で導入する計画だ。

 JR東は運行管理にATOSを使い続ける方針。列車制御のみを従来の地上信号方式から、地上と車両との間に無線を使うATACSに更新していく。

 ATACSは、無線で線区の列車位置を把握して走行可能地点を各列車に送り、各列車が速度パターンを作成して運転する。

 地上信号に比べて柔軟な列車制御が可能で、地上設備も減らせることから保守作業の軽減につながる。踏切の開閉時間も最適化できる。

 JR東は鉄道総合技術研究所(鉄道総研)の技術を元にATACSを開発し、11年に宮城県の仙石線で使い始め、11月からは埼京線にも展開する。JR西日本も早期導入を目指してATACSをベースにした独自システムの試験を進めている。

日刊工業新聞2017年10月11日

明 豊

明 豊
10月11日
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逆にいえば、日立などの日本企業が海外で列車制御システムを受注していくのも大変だということ。日立はイタリアのアンサルドSTSを買収、鉄道事業者との接点を増やしてはいるが。

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