IT業界に必要な女性リーダーとは?

日立ソリューションズでは50回以上の勉強会を自主的に開催

 「部下の多様性を上司である私はどれだけ受容できるのか」―。日立ソリューションズの社内で、部長や課長、主任など管理職の女性社員による自主的な勉強会が開催されている。メンバーは15人程度で就業後の18時半―20時に実施する。大学教授や起業家、医師らを講師に招き、さまざまな知識の獲得、情報共有、ネットワークの創出につなげている。2015年4月から始め、開催は50回を超えた。

 日立ソリューションズはダイバーシティー経営に力を入れている。個の多様性を尊重し、事業に生かす取り組みだが、「自分に個を受容する受け口はどれくらいあるのか疑問を持った」と、同勉強会の発起人でもあるソリューションビジネス推進部の佐藤千文グループマネージャは振り返る。「世の中を見回すと、こんなに知らないことが多いのかと感じた」という。仕事に直接関係ないことも含め、さまざま事柄を学ぶ機会として同勉強会を立ち上げた。

 勉強会の題材は多岐にわたる。現役のバイオリニストが講師を務めた日は、欧州の国の生い立ちや民謡を聞きながら、グローバルビジネスを行う上での民族性や歴史、音楽のつながりを学んだ。別の日はマネージャー職として最適な服装について、さらに違う日には日本酒バルの経営者から日本酒について聞いた。佐藤マネージャは勉強会の効果について「社内で知ることができないことを社外から学ぶ。結果的にさまざまなステークホルダーがどのようなニーズを持っているのか理解できる」と話す。

 勉強会は自主的な取り組みだが、会社から認められた活動でもある。人事総務本部労政部の金子竜也主任は、「ダイバーシティーを体現するために、課題があれば解決するために支える」と話す。同社の18年10月末時点の課長以上の女性管理職は54人。女性比率は4・8%と、多様性の推進はまだ道半ばだ。

 勉強会には「ABCラーニング」という正式名称がある。ダイヤモンドのブリリアントカットように光を集める58個の面を創り、輝くという願いを込め、「アンビション・フォー・ブリリアントカット」の頭文字を取った。「58回学び続ける。約3年かけてゴールが見えてきた」と佐藤マネージャは気を引き締める。

 18年度内には全行程を終え、勉強会を解散する意向だ。勉強会の参加者の中には大学やビジネススクール、英会話などに挑戦する人も出てきた。佐藤マネージャは「柔軟で強い女性リーダーになることが変化の早いITの世界では重要。自発的に変化に対応できるようになっていきたい」と先を見据える。

日刊工業新聞2019年2月26日

  

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