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社名に「小松」を残した繊維の老舗、世界で戦う次なる商材

小松マテーレ(旧小松精練)池田哲夫社長に聞く
社名に「小松」を残した繊維の老舗、世界で戦う次なる商材

「カボコーマ」を活用した小松マテーレの本社

 ―2019年の事業の見通しは。
 「この冬、国内は暖冬傾向で冬物ファッションやスポーツ関連にはマイナスだった。19年3月期連結業績予想は達成できるが、20年3月期はやや不透明。原材料費も高止まりしている。工場自動化や省人化のスピードを上げなければいけない」

 ―海外の状況は。
 「18年10月以降、特に中国はあまり良くない。日欧経済連携協定(EPA)の影響はまだわからないが注視している。欧州は我々の主戦場でもあり、高級ブランドのメゾンを抑えることが重要だ。暖冬でも売れるコートは売れる。海外で勝負できる素材を開発し、国内に波及するサイクルをまわしていきたい」

 ―18年10月に社名を変更し、業容拡大を目指します。
 「メーカーとして繊維以外の分野で化学素材などを拡大する。新製品の透湿防水素材のように環境に配慮しながら、我々の強みである感性に訴えかける素材を開発したい。課題の自動車用シートでは、まず海外市場からくさびを打ち込む。そのための商品展開や提携戦略を遠からず明らかにする」

 ―新規事業は。
 「3月までに熱可塑性炭素繊維複合材『カボコーマ』が耐震補強材として日本工業規格(JIS)に認定される見通し。JIS化によって事業化が本格化する。この分野でも協業を模索している。これからは他業界とつながり新たな価値を生む『横請け』の時代だ」

【記者の目】
 社名変更で「小松」を残したのは、特にファッション分野で海外に浸透していたから。車用シートでもファッションのように海外先行で成長させることができるか。いずれ公表されるという戦略が興味深い。JIS化後の炭素繊維複合材を含め、20年3月期は近年打ってきた布石が生きる年になりそうだ。
(日刊工業新聞金沢支局長・本荘昌宏)

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