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要介護者の命を守る制作費3000円の発明

帝京大が開発
要介護者の命を守る制作費3000円の発明

排便終了を知らせるスマホ画面と受賞作品

 帝京大学理工学部の蓮田裕一教授の研究室が「第13回技術教育創造の世界(大学生版)発明・工夫作品コンテスト」(日本産業技術教育学会主催)の発明工夫部門で最上位の学会長賞に輝いた。

 同部門初の学会長賞4連覇。受賞した作品は「おじいちゃんトイレ終わりましたか―トイレでの高齢者の転倒を防ぐ声かけシステム―」で、排便終了時の動作を検知し、介護士に知らせる仕組み。製作費は約3000円。蓮田教授は「授業の学びと発想力を働かせてくれた」と喜ぶ。

 作品はトイレットペーパーホルダーのふたの裏側に搭載された加速度センサーでトイレットペーパーの動きを検知し、介護士のスマートフォンに通知する。一方、要介護者側には「座っていてください」と音声が流れ、介護士が到着するまでの時間を稼ぐ。

 蓮田研究室によると、認知症患者や高齢者は排便後に立ち上がった際などに転倒する事例が数多くあるとされる。実用化されれば、要介護者の命を守ることにもつながる。
日刊工業新聞2019年2月21日

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