紙飛行機でギネス記録持つ社長が考える、モノづくりで大切なこと

キャステム社長・戸田拓夫氏

 子どもの頃から、紙飛行機やゴム動力の飛行機、凧(たこ)など飛ぶものが好きだった。大学生の時、病気にかかり入院中や療養中に、1枚の紙を折って作る自作の紙飛行機を2、3カ月で300機ほど作ったこともある。紙飛行機の室内滞空時間で、2010年には09年に私が出したギネス世界記録を更新した。その時の記録29・20秒は、まだ破られていない。

 紙飛行機の新作はある時期に集中し作る。ギネス記録を狙う紙飛行機は週に10―20機は作る。折った紙が戻らないように、ゆっくり丁寧に作るので1機に30分はかかる。少しずつ折る場所を変えるなど工夫してデータをパソコンに記録する。紙飛行機の形を維持するため、ファイルし保管する道具も自作する。温度や湿度など条件も関係するので実際に飛ばしデータを取る工業的な手法だ。

 当社の事業はロストワックス精密鋳造で、産業機械向け部品などを製造している。経営者として仕事にも趣味にも徹底しこだわる。社員には仕事でも偏屈なぐらい執念を燃やさないと、新しいモノづくり、他社を凌駕(りょうが)する品物は生まれないと言っている。

 各地の紙飛行機の大会で滞空時間22―23秒は出るが、25秒以上の記録はめったにでない。今でも1カ月に一度、ホールを借りて4時間ぐらい紙飛行機を投げる練習をしている。現在、私は62歳だが、滞空時間を30秒にして記録を更新したい。

 紙飛行機は真上に向かって投げ、真上までまっすぐ上がり、それから水平飛行に入るのがいい飛ばし方だ。作り方に工夫はいるが、それは明かさない。記録を塗り替えるには独自の理論、飛行機が必要だろう。折り紙飛行機という小さなジャンルでも、滞空時間で世界一になるには、相当な努力をしないと届かない。

 紙飛行機は万国共通の子どもの遊びだ。1995年には日本折り紙ヒコーキ協会(現在は折り紙ヒコーキ協会)を設立した。20年に東京で紙飛行機の世界大会を開く計画も進めている。(広島県福山市御幸町中津原1808の1)

日刊工業新聞2018年10月26日

  

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