トヨタが中国にAI・自動運転拠点の狙い

2019年内にも立ち上げ

 トヨタ自動車は中国の北京市と上海市に、人工知能(AI)や自動運転の研究開発拠点を設置する方針を固めた。年内にも立ち上げる計画で、米国や日本のAI開発拠点と並ぶ中核拠点に位置付ける。中国はAI人材の育成や、自動運転特区の設置を積極的に進めている。トヨタはこれらの環境を活用してAI・自動運転技術の開発を加速し、先端技術の開発競争力を高める。

 トヨタは新たに設けた準備室で中国拠点の詳細を詰め、年内の本格立ち上げを目指す。北京は清華大学などトップクラスの大学を有し、豊富なAI人材の確保が見込める。また上海では、都市インフラを含めた自動運転特区の整備が進む。両都市に拠点を構えることで、開発から実証試験までの開発サイクルを効率化する。

 一方、中国は重要産業に関するデータの海外持ち出しを規制する方針で、中国で販売する自動運転車に搭載する技術は同国内での開発が義務づけられる可能性がある。トヨタは中国に拠点を設けることで、規制に対応する側面もある。

 トヨタは2016年に米国でAIの研究開発拠点「トヨタ・リサーチ・インスティテュート」(TRI)を設立し、18年には自動運転技術の先行開発などを担う、デンソーやアイシン精機との共同出資会社「トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント」(TRI―AD)を開設した。中国の拠点は、これらに続く三つ目の拠点となる。

 トヨタは20年をめどに高速道路、20年代前半には一般道での自動運転技術の実用化を目指している。中国では冬季五輪が開かれる22年を焦点に、実用化に向けた開発を加速する考えだ。

日刊工業新聞2019年2月15日

  

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