1000℃に耐える圧電素子の商機

熊本大学が開発

 熊本大学の中妻啓助教と田辺将之助教、小林牧子准教授らは、1000度Cの高温に耐えられる圧電素子を開発した。超音波センサーや感圧センサーとして利用できる。化学プラントなどで、高温向け配管の厚みを監視するセンサーに提案する。2020年に大学発ベンチャーを設立して事業化を目指す。

 圧電セラミックスの粉と圧電ゾルゲル溶液を混合して塗布し、焼成して圧電膜を作成する。電流を流すと振動し、特定の周波数の超音波を発する。ニオブ酸リチウム製の圧電膜は1000度Cに耐えられる。既製品は600度Cだったという。

 圧電セラミックスの膜内部に微細な空隙をもつため、内部を通る超音波が減衰しやすい。超音波が膜内部で共振しにくく、ノイズを低減できる。圧電素子を配管などに貼り付け、超音波を発して反射波が返ってくるまでの時間を計れば、配管の肉厚を計測できる。プラント配管が急激に消耗する異常減肉などの検出に提案する。

 圧電膜は力をかけると電圧を出力し、圧力センサーとして利用できる。1ニュートンの力がかかると25ミリワットの電力を出力する。圧電膜が薄いため、柔軟に曲げられる。手で折り曲げて1万回の曲げ耐久性を確認した。

 塗布で圧電膜を作れるため、基材の種類や曲面形状など設計の自由度が高い。複数の圧電素子を並べてセンサーアレイを作成する。ロボットの皮膚センサーにも応用できる。

日刊工業新聞2018年2月15日

日刊工業新聞 記者

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02月15日
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