50年目の新しいパルコ、何を売る?

 任天堂はパルコが今秋に開業を予定する商業施設「渋谷パルコ(仮称)」(東京都渋谷区)に、国内初の直営店「ニンテンドートウキョウ」を開設する。ゲーム機本体、ソフト、キャラクターグッズなどの販売に加え、イベントの開催やゲームの体験などを計画する。国内における任天堂の情報発信の新たな拠点として幅広い層が楽しめる場を提供する。

日刊工業新聞2019年2月11日



「モノからコトの消費へ」を生んだ異端児


 西武百貨店、西友、パルコ、クレディセゾン、西洋フードシステムズ、そしてファミリーマート。堤清二が一代で築き上げた「セゾングループ」は、それまでの日本人の文化やライフスタイルを一変させた。

 西武グループの総帥だった父・堤康次郎の死後、清二が総帥を継承すると誰もが思っていた。しかし、その座を異母弟の義明が継ぐことが異端とも言える時代の革命児を生むことになる。

 「商品を売るのではなく、ライフスタイルを売る」「モノからコトの消費へ」―。1969年、西武池袋本店の隣にあった百貨店を買収、パルコにリニューアルし全国展開する。

 当時、二流・三流とやゆされた西武百貨店を渋谷に進出させ、80年代後半には三越の売上高を抜き業界首位に躍り出る。

 ホテル経営やリゾート開発にも乗り出し、老舗の専門商社の大沢商会、牛丼の吉野家など倒産した企業を再生させ「流通業のカリスマ」と評された。

 清二のすごみは時代への先見性にあった。グループ傘下の店舗で「エルメス」などの海外ブランドを展開。その逆の発想でプライベートブランド(PB)や流通系カードの先駆けとなる「無印良品」、「セゾンカード」を立ち上げた。

 コンビを組んだ糸井重里の『おいしい生活。』のキャッチコピーはこの時代を象徴した。さらに「辻井喬」のペンネームで文筆活動でも数々の賞を受賞する。が、バブル崩壊で本業のセゾンは解体される。

 ―虎は死して皮を留め、人は死して名を残す―。この故事を実践した経済人を他に知らない。
(1927〜2013年)
元セゾングループ代表・堤清二氏

日刊工業新聞2019年1月31日

  

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