キユーピー100年、サラダとタマゴで主役狙う

長南収社長インタビュー

 ―2018年度(18年11月期)を振り返ってどう評価しますか。
 「豪雨や台風、地震など自然災害が多かった。当社にとっては猛暑などの影響で野菜が高騰したため、マヨネーズ・ドレッシングなどの調味料事業には厳しい状況だった。一方でサラダ・惣菜事業が堅調に推移したほか、中国などの海外事業も健闘し、増収増益を確保できた」

 ―19年は創業100周年を迎えるとともに、新中期経営計画のスタートも切りました。
 「次の100年を見据えて当社グループの長期ビジョン『キユーピーグループ2030ビジョン』を策定し、30年での“ありたい姿”を示した。今中計から次期、さらにその後の中計へと受け継いでいけるように、社内でしっかり時間をかけて議論してまとめた。スタートした新中計では国内で『食の主役化』をテーマに、海外では成長が見込める中国と東南アジアを中心として成長戦略を描く」

 ―国内の「食の主役化」とは。
 「国内は人口減少や少子高齢化の影響で食品需要が大きく伸びない。このため、付加価値を高める戦略で成長を確保する。一般家庭では調理品を購入する中食化、いわゆる食の外部化が今後も進む。これに対応し、当社のタマゴ、サラダ・惣菜、調味料事業を活用した『食の主役化』を推進する計画で、サラダとタマゴのリーディングカンパニーを目指す」

 ―高齢化社会にはどう対応しますか。
 「高齢化もさらに進展するため、健康寿命を延伸するニーズが高まる。タマゴやサラダなどは低栄養対策のほか、たんぱく質の高吸収率、噛む機能を高め脳細胞活性に寄与するといった効果がある。野菜の機能として提案していく」

 ―海外戦略の加速も重要です。
 「中国と東南アジアを中心にマヨネーズ・ドレッシングで市場を深耕する。中国では17年設立の統括会社の機能を強化し、現3工場に20年に広東省広州市で稼働する新工場を加えて、経営やマーケティングを強化していく。東南アジアでは『深煎りごまドレッシング』を中心に拡販する」
              

【記者の目】
100周年を迎えるマヨネーズの国内トップだが、人口減少による市場の縮小という壁が立ちはだかる。新中計では国内でサラダ・タマゴによる中食需要を狙い持続的成長を目指す。一方で大きな飛躍を遂げるためには、海外事業の加速が欠かせない。18年度の海外売上高比率は8%強で、今後の展開が注目される。
(井上雅太郎)

日刊工業新聞2019年2月11日

  

ファシリテーター紹介

記者・ファシリテーターへのメッセージ

この記事に関するご意見、ご感想
情報などをお寄せください。