産育休暇による欠員を円滑に補充、「期限付き異動」の効果

東京海上日動火災保険が導入

 産育休暇の取得が広がる中で、一時的な欠員をどのように埋めるのかは各社が抱える課題だ。これに対し、東京海上日動火災保険の「お役に立ちたい」が効果を挙げている。この取り組みは欠員を予定する事業拠点が社内で人材を募集し、社員の異動を期限付きで認めるもの。人事企画部の治田明子担当課長は「欠員がスムーズに補充できる。仕事に慣れた社員が手助けに行くので、現場の負担軽減にもつながる」と手応えを語る。

 この制度はエリアコースと呼ぶ、異動を一定範囲に制限した約8000人の社員が対象。地方拠点の安定した人材確保もこの制度の目的の一つだ。2012年に設立し、18年末時点で約100人が利用した。異動期間は原則1年。

 この制度の効果は欠員の補充だけでない。治田担当課長は「仕事の質が向上するという利点が、事業拠点と社員の双方にある」と話す。仕事は慣れた進め方が最善だと思いがちだ。受け入れ側の社員は、手助けに来る社員から違った仕事の進め方を学ぶことで、改善につなげられる。手助けする社員も別のアイデアを仕事に取り入れ、スキルアップなどに役立てられる。

 ビジネスプロセス改革部の伊藤里紗さんは16年に制度を利用し、北海道支店函館支社に1年間勤務した。「普段関われない社員と交流を持てたことが良かった。仕事の面で学ぶことも多かった。得られた知見を同僚や後輩にも伝えたい」と笑顔を見せる。

日刊工業新聞2019年2月6日

  

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