拡大するフェアトレードビジネス、コーヒー以外に何がある?

日本経営士会・佐藤秀樹氏

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**フェアトレードビジネス着実に拡大
 グローバル化の進展に伴う国家間や地域間の格差、不平などによる貧困は、世界的な課題の一つである。フェアトレードは開発途上地域の立場の弱い農家などの生産者がつくる農作物や商品を、公平・公正な価格で消費者が購入し、生産者の自立を支援する貿易のしくみである。また、フェアトレードでは、生産する人の労働環境や生活水準の保障、そして環境に配慮した持続的な生産システムを構築することが必要である。

 フェアトレード商品を町ぐるみで応援していこうという「フェアトレードタウン」の運動は、世界32カ国以上、2000以上の自治体で生まれている。

 世界初のフェアトレードタウンは英国北西部にあるガースタングという街である(2000年4月誕生)。その生みの親は国際協力団体「オックスファム」の会員で獣医師のブルース・クラウザー氏であった。

 日本でのフェアトレードタウンは、11年6月、熊本市がアジアおよび日本ではじめて認定されたのを皮切りに、名古屋市(15年9月)、神奈川県逗子市(16年7月)、浜松市(17年11月)と誕生した。「日本フェアトレード・フォーラム」がフェアトレードタウンを推進・認定する母体として設立された。認定に当たっては「推進組織の設立」、「フェアトレード商品の取扱店舗」や「自治体の支持・普及」など、6基準が設けられている。

グローバル教育の促進必須


 国際貿易投資研究所の「フェアトレードビジネスモデルの新しい展開(17年)」によると、15年の日本のフェアトレードの市場規模推定値は265億円で、07年の73億円と比較すると約3・6倍となっている。数字で見る限り、日本のフェアトレードビジネスは着実に拡大していることが分かる。

 しかし、フェアトレード市場規模ではコーヒーの取り扱いが多く、それ以外での商品発掘も必要である。また、フェアトレードの認知度を消費者へどのように促進・浸透させていくのかが今後の大きな課題であることから、消費者の開発教育、現地へのスタディーツアーの実施や生産者と市民との交流を通じた学びづくりなど、グローバル教育の促進が求められよう。世界とつながりを持った街づくりを進めていくことで、社会的包摂の実現や多文化共生の地域づくりにも一歩ずつ寄与するものと考える。

◇日本経営士会・佐藤秀樹 090・6509・1615

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日刊工業新聞2019年1月31日

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