創業150年、国産タオルだからできる未来に続くモノづくり

インタビュー/ホットマン社長・坂本将之氏

 ホットマン(東京都青梅市、坂本将之社長)は、明治元年(1868年)に東京・青梅に創業。吸水性が高く、肌に優しい“1秒タオル”を展開している。純国産東京タオルにこだわり、進化させてきた性能は、蓄積した技術と、あらゆる人への思いが結びついた結晶だ。坂本社長に、事業への思いや展望を聞いた。

 ―創業当初から“タオル一筋”だったのでしょうか。
 「青梅は織物業が盛んな地域だったが、現在、基本的な母体として残っているのは当社だけ。創業時は着物生地を中心とした絹織物を生産していたが、戦後は服地織物へ集約した。タオル生産に本格的に乗り出したのは1963年のことだ」

 「当社製品は吸水性が高く、柔軟剤不使用で肌に優しい。世の中には柔軟剤に反応するアレルギー体質の顧客も存在する。タオルは生まれてから死ぬまで使うもの。そういったことも踏まえて展開している」

 ―海外製造はしていません。
 「事業を育ててくれた土地である青梅の産業を途絶えさせるわけにはいかない。生産は国内にこだわる。販売先として、海外は視野に入れている。我々は企画、製造から販売まで一貫体制でできる独自性がある。自分たちが関わる工程の全てに責任を持つことと品質向上のための体制として取り組んでいる」

 ―SDGs(持続可能な開発目標)にも取り組んでいます。
 「14年からセネガル産のフェアトレードコットンを使用したタオルの製造・販売をしている。本業に絡めながら、自分たちができることをやっていこうという思いが根底にある。日本国内だけでもアパレル製品は年間30億着相当が捨てられているというが、当社は直営店もあり、製販一貫のため、そうした資源のムダも省ける」

 ―今後の展望は。
 「19年度は売上高を5%ほど上げたい。必要であれば新規出店も考えている。売上高にとらわれず、利益を出せる体質であるためにBツーB(企業間)向けも展開していく」

【記者の目/地場産業、次代に歴史紡ぐ】
 地場産業を軸に据え、強みとする企業は多いが、坂本社長は「『日本のモノづくりは優れているから高くても売れる』と天狗(てんぐ)になってはならない」と指摘。顧客と地域への根強い思いが事業を成長させる。創業から150年。明治から平成まで四つの元号を経て、次代に向けた事業の歴史を紡ぎ続ける。(西東京・茂木朝日)

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日刊工業新聞2018年12月19日掲載

松木 喬

松木 喬
12月23日
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以前、エシカル協会の末吉里花さんをインタビューさせてもらったとき、「途上国を訪れると、一部の企業の利益のために立場の弱い人たちが長時間、低賃金で働かされている構造が分かった」と話していました。 フェアトレードは日本にいながら、途上国の住民を支援できる取り組みです。SDGsでいうと目標1「貧困をなくそう」8「働きがいの経済成長も」などに貢献します。

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