日立の凍結で再燃、原発ビジネスの再編が動き出す!?

三菱重工のトルコ計画は?

 日立製作所は英国の原子力発電所の新設を凍結する。原発メーカーは大きな転換点を迎える。国内では日立や東芝が手がける沸騰水型軽水炉(BWR)は東京電力福島第一原発事故を受け、再稼働も見通せない。保守や廃炉ビジネスは発電事業の中では収益性は高いが、先細りは必至な状況だけに業界の再編議論が再燃する可能性もある。

 日本の原発輸出は凍結や見直しが相次いでいた。今回、日立が英国のプロジェクトを凍結したことで、残るは三菱重工業がトルコで手がける新設計画のみだが、断念する公算が大きい。

 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の宮本武郎シニアアナリストは「今後の原子力事業は新技術の競争ではなく、燃料の装荷や保守点検、廃炉の取り組みを強化するしかない。保守契約を抱えるほど、廃炉までのビジネスにつながる。ただ、そうした業務は原発の建設に比べてリスクは低いものの、リターンの観点から経営資源の投入は難しいのではないか」と語る。

 日立、東芝、三菱重工の原発3メーカーの統合議論は東京電力福島第一原発事故以降、常にくすぶり続けている。東京電力ホールディングスと中部電力、日立、東芝のBWR陣営4社は原子力事業での提携協議を進める。「将来的には事業統合も当然視野に入る。そうでなければ意味がない」(電力関係者)との声もある。

 東芝の車谷暢昭会長兼最高経営責任者(CEO)は他社との再編について「合理的に判断していく」としている。
(文=栗下直也、福沢尚孝)

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日刊工業新聞2019年1月18日掲載

  

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