三越伊勢丹の“おしゃれで履きやすい靴”誕生の裏側

『きれいになりたい』気持ちに寄り添うブランドを意識

履きやすくおしゃれに


 三越伊勢丹の婦人靴「NT」ブランドは、2011年に「履き心地の良い靴はおしゃれなものが少ない」という顧客の声を受けて誕生した。デザインが良く履きやすいと評判になり、競合する百貨店でも販売されるまでになった。刈田真人SPA事業部NT営業部商品開発担当に、デザインの特徴や開発のポイントを聞いた。

―顧客の声から誕生しました。

「伊勢丹新宿店の売り場から、『足の幅が大きく幅広のヒール靴がない』などの悩みを抱える女性が多い、との情報が上がってきた。しかし当時は、履きやすさを追求した靴は、やぼったいものが大半だった。多くの女性は、おしゃれで履きやすいパンプスを望んでいるとわかり、機能性とデザインを掛け合わせた商品開発を進めた」

―重視したのはどのようなことですか。

「お客さまにぴったりフィットし、お客さまの『きれいになりたい』という気持ちに寄り添えるブランドを意識した。足幅があってもつま先のデザインをシャープにしたり、かかとを絞ってホールドを良くして脱げにくくしたり、それまでにない工夫を凝らした」

―商品の売れ行きはどうでしたか。

「NTは現在、約670種類あり、これまで累計で50万足を販売した。17年は婦人靴の売り上げがトップの伊勢丹新宿店で一番よく売れた。NTのことを知った男性が、足幅が広くてスニーカーしか履けなかった奥さんや娘さんにプレゼントして喜ばれた話などが届いている」

―NTの靴は競合する百貨店の売り場でも見かけます。

「16年からは製造小売り(SPA)として、他の百貨店でも扱われるようになった。これまで自社ブランドが競合店で販売される事例はほとんどなく、独自のブランドとして成長している。今後は同じブランドで、店員による足の測定後、28種類の木型から選び、ヒールの太さと革を選んで作成するイージーオーダーにも力を入れる」
(文=編集委員・丸山美和)

日刊工業新聞2019年1月15日

  

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