大改装「日本橋三越」、店長の新しい“おもてなし"

浅賀誠・三越日本橋本店長インタビュー

 東京・日本橋の百貨店が生き残りをかけ、相次いで店舗を大改装している。1673年開業の日本橋三越本店もその一つ。客に付き添って要望に合った商品を案内するコンシェルジュの導入などサービスを拡充し、24日にグランドオープンする。今回の改装で、2020年度に現状比100億円の増収を見込む。浅賀誠三越日本橋本店長に、戦略や今後の方針を聞いた。

 ―日本橋三越本店の特徴と今までと違う点はどこですか。
 「『おもてなし』を前面に掲げた。これまで品ぞろえや人の配置、売り場の展開、データの分析も商品政策(MD)基軸でやってきた。バイヤーチームがメインだったためだが、電子商取引(EC)などが台頭する中、お客さまや市場変化に対応しつつ三越らしさを差異化するには、顧客基軸の『おもてなし』しかないと判断した」

 ―その中身は。
 「『おもてなし』と言っても、それぞれの理解が異なっていた。三越の従業員も出店ショップの店員も理解できるよう業務フローに置き換え、可視化して全員参加の研修や説明をしてきた。可視化にあたっては、人、環境、サービス、商品によるおもてなしの4項目に整理し、さらにMDも強化して両輪で回るようにした。全員参加後には売り上げも上がる仕組みにしている」

 ―取り組み始めてからの課題は。
 「うちの従業員とショップ店員が連動する必要がある。従業員だけでも、全館を案内するガイド、お客さまに付き添いブランドを超えて商品を提案する90人のコンシェルジュ、100人以上のお得意様営業部員がいる。ここも情報を共有して連携しておかないと、お客さまが来店した時に最適な提案ができない。アナログ的だがデジタルも駆使している」

 ―これまでの主要顧客は年齢層も高く、デジタルによる事前予約などを使いこなすのは難しいのでは。
 「人が中心の百貨店を支えるのがデジタルであり、例えばスマホが使えないお客さまにも今まで通りきちんと対応していく。一方、クレジットカードのエムアイカードを利用する新しい顧客は40―50代が増えている」

 ―近くでは高島屋もリニューアルオープンします。
 「競合であり、共存共栄の存在。うちはエグゼクティブ層を狙っており、お互いに差異化していることもはっきりして良いのではないか。日本橋にお客さまが来れば、買い回りに双方の店に来る。日本橋が元気になり、町を盛り上げていければと思っている」
                   

(聞き手・丸山美和)

日刊工業新聞2018年10月16日

日刊工業新聞 記者

日刊工業新聞 記者
10月17日
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コンシェルジュに案内されながらの買い物は、何か買わなければと気を使ってしまいそうだが、気にせず気軽に利用してほしいとのこと。自分に合う色を教えてくれるサービスなど、新たな発見もできそうだ。昔、親に連れられて行った百貨店はわくわくする場所だったが、また同じような楽しい気持ちになる場所への変革を期待したい。(日刊工業新聞社・丸山美和)

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