貿易摩擦も顕著な影響なし、ANAは大型貨物機で日・中・米間輸送狙う

貨物事業の成長へ

 ANAホールディングス(HD)は2019年度に導入する大型貨物機を、今夏から日本―中国線で運航する方針を明らかにした。同年度内には米国・シカゴにも就航する。アジア・中国―北米間の貨物需要拡大を見据え、大型品輸送や大量輸送に適した貨物機「ボーイング777F」2機を調達。経由地となる日本発着やアジア乗り継ぎの貨物に加え、米中間における輸送需要も取り込み、貨物事業の成長につなげる。

 アジア―北米の太平洋路線は人流、物流とも中長期的に需要拡大が見込まれる。導入する大型貨物機は中国―日本―米国間で運用する方針。米中貿易摩擦が深刻化しているが、航空貨物に「顕著な影響は出ていない」(片野坂真哉最高経営責任者〈CEO〉)としており、米中の三国間輸送にも期待を寄せる。

 現在、ANAHDの太平洋路線は日本を発着する旅客機の貨物室に加え、他社機をチャーターするエアラインチャーター方式で、日本―シカゴ間に貨物専用便を確保している。

 大型貨物機の主な輸送品は航空機エンジンや完成車、工作機械、半導体製造装置、電子部品、電池、医薬品、衣料品などの高単価品を想定する。モノづくりのサプライチェーンが広域化する中で、原材料や部品、完成品の輸送で大陸間を短時間でつなぐ航空貨物は、重要性を増している。

 ANAHDの貨物事業は貨物機「ボーイング767―300F」と旅客機の貨物室によるコンビネーションキャリアとして展開してきた。旅客機のネットワークと専用機の輸送力を訴求し、17年度の航空会社別搭載貨物重量は世界9位。大型貨物機の導入を成長の契機とし、22年度には営業収入で17年度比4割増、世界トップ5入りを目指している。

日刊工業新聞2019年1月11日

  

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