「上期赤字」で内定者辞退は嫌だ!老舗重電、収益転換急ぐ

明電舎社長、EV・半導体向け「コンポーネント」増やす

 明電舎は2021年度にも上期(4―9月期)での黒字確保を目指す。官公庁や電力会社向けのインフラ事業が主力で下期(10―3月期)に業務が集中するため、これまで上期に黒字を計上したことがなかったという。電気自動車(EV)向けモーターや半導体装置向け部品などの全体に占める割合を増やし、収益構造の転換を急ぐ。

 三井田健社長は「上期と下期の平準化が一番大きな課題」との認識を示し、「コンポーネント(部品)の割合を増やしたい」と述べた。具体策として、EV向けには国内3工場に計約70億円を投資し、車載モーターやインバーターの生産能力を増強する。

 三菱自動車工業以外の車メーカーへの供給のほか、ティア1との契約も視野に入れる。半導体製造装置向けには「(これまで手がけてこなかった)工程の中に一つ、二つ、納められれば」と語った。20年度を最終年度とする中期経営計画内に「見通しをつけて、次期中計では上期を黒字にしたい」と方向性を示した。

 上期に赤字を計上し続けていることで「採用上も良くない。内定を辞退した学生もいる」という。また、海外企業との取引で懸念されることもあり、「海外やマーケットに対する信用も高めたい」と述べた。

 直近の2018年4―9月期決算は売上高897億円、営業損益47億円の赤字、当期損益34億円の赤字。部門別では社会インフラ事業が売上高481億円、営業損益62億円の赤字。自動車部品などの産業システム事業は売上高273億円、営業利益は20億円だった。

<関連記事>
これから重電メーカーはどうなるの?

明電舎の四半期ごとの収益推移       

明 豊

明 豊
01月04日
この記事のファシリテーター

昨年、社長に就任した三井田さん。役員時代から三菱自動車を筆頭にEV向け部品の責任者を務めてだけに、車載事業の可能性も難しさも熟知しているはず。「上」「下」の収益バランスを取ること自体が目的化するのは良くないが、今後10年を見据えた自動車分野の戦略はとても大切。コア事業にしていくのか、そうでないのかで、会社全体の有りようも変わってくる(もちろん採用戦略も)。

この記事にコメントする

  

ファシリテーター紹介

記者・ファシリテーターへのメッセージ

この記事に関するご意見、ご感想
情報などをお寄せください。