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陳列の工夫で売り上げ拡大を狙うエバラ食品の戦略

“カレンダー什器”でデッドスペースを活用
陳列の工夫で売り上げ拡大を狙うエバラ食品の戦略

壁や柱などのデッドスペースに商品を陳列し、新たな売り場を創出する

 エバラ食品工業は、ひもでつり下げる陳列棚「カレンダー什器(じゅうき)」の活用により商品陳列を工夫し、小容量ポーション調味料を拡販する。壁や柱などのデッドスペースに陳列し、定番化した売り場以外に商品を陳列。冬の定番である鍋つゆ以外にもステーキやハンバーグ、うどんなど通年を通じたポーション調味料を拡販し、カレンダー什器との組み合わせで、同調味料の売り上げを2017年3月期比22%増の40億円の早期達成を目指す。

 カレンダー什器はコートボール合紙製で高さ830ミリ×幅290ミリ×奥行き160ミリメートル、4段の陳列棚を有し什器を重ねたり並べたりすることで商品陳列に自由度を与える。

 エバラ食品はこれまで単身者や少人数世帯を狙った小容量ポーション調味料の鍋つゆを販売。大人数向けのストレートパウチのパッケージと違い、コンパクトで自立しない設計だったが改善し、立てて陳列できる商品パッケージを今秋投入した。カレンダー什器との組み合わせで来店客との接点を増やし、9―10月の売り上げは前年同期を上回り順調に推移する。

 これまで鍋つゆの売り場は(1)加工食品の棚(2)精肉や青果など生鮮コーナー(3)主要通路に面するストレートパウチのエンド展開―が定番だった。カレンダー什器を活用することで、雑貨や家庭用品を含めた関連商品の販売にもつなげ陳列の幅を広げている。

 同社では多様化する消費者ニーズを上手に取り込み、小売業が知恵を絞る新しい売り場提案につなげる。
日刊工業新聞2018年12月24日

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