なぜ“ガリガリ君”は日本で一番売れるのか

赤城乳業、源は「異端の思想」

日本一のアイス


 年間販売本数が4億本以上と、日本一売れているアイスキャンデーが、赤城乳業(埼玉県深谷市、井上創太社長、048・571・6769)の「ガリガリ君」。1981年の発売以来、今年が37年目のロングセラー&ベストセラー商品である。食品のブランドのキャラクターとしては、比類がないほどの知名度を持つのが最大の強みで、強みを生かすマーケティング戦略の数々が、強いブランドをさらに強くしている。

 同社のマーケティングで、特に目を引くのが共同開発、共同プロモーションといったコラボレーションの多さ、幅広さだ。これまでにセブン&アイ・ホールディングス、不二家、日本コカ・コーラから、ライオン、コナミ、バンダイ、小学館、リクルートまで、さまざまな業種業態の企業と提携し、新商品を市場に投入してきている。

 今春には日本サッカー協会などと契約して、サッカーワールドカップ開催に合わせた「ガリガリ君ソーダ(サッカー日本代表ver.)」を発売し好評を博した。「コラボを持ちかけられるケース、こちらから持ちかけるケースの両方がある。今まで、ガリガリ君を買ったことがない人にも買ってもらうことを狙いに、コラボを展開している」(岡本秀幸マーケティング部課長)。

イベントで拡販


 コラボ展開の一環としてピカチュウ、くまモンなど、人気キャラクターとのタイアップにも力を入れている。くまモンでは、九州産みかんの果汁を使った「ガリガリ君 九州みかん」のパッケージデザインに、くまモンをあしらい、くまモンファンの購買意欲をかきたてた。3月に、熊本市で開かれた「くまモン誕生祭」に出向いて6000本のサンプリング(無料配布)も実施している。

 「サンプリング、イベント参加など地道な取り組みが多い」(岡本課長)のも同社マーケティングの特徴だ。例えば、東京・駒沢公園で開催される国内最大級のラーメンイベント「東京ラーメンショー」に毎年出店し、ラーメンを食べた後のデザートにガリガリ君を売り込んでいる。「一度出店を見合わせたら、なぜ出ていないんだとクレームが来た」(同)というほどラーメンともなじんでいる。

独得な企業文化


 ガリガリ君を60円から70円に値上げした際、TVコマーシャルや新聞広告で「値上げのおわび」をしたのは記憶に新しい。フォークシンガーの高田渡さんの楽曲「値上げ」を借用したざん新なおわび広告は、ニューヨーク・タイムズ紙やBBC(英国放送協会)が取り上げるほどのインパクトを放った。値上げ時期は16年4月。2年半以上も前の話だが、つい最近のことのように思える。

 「コーポレートメッセージは『あそびましょ』」「目指すのは“強小カンパニー”」「大切なのは『異端』の思想」…。井上秀樹会長から子息の井上創太社長へ引き継がれ、同社の基底を脈々と流れているのがこれらの企業文化・風土であり、ユニークなマーケティング戦略の源がそこにあるのは間違いない。
(文=さいたま・山下郁雄)

日刊工業新聞2018年12月7日

国広 伽奈子

国広 伽奈子
12月07日
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コーンポタージュ味が出たときは衝撃的でした。どんな味が出てくるのか、今後も楽しみです。

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