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トヨタ、アルゼンチンでカーシェア拡大の布石

ブエノスアイレス市で事業開始
トヨタ、アルゼンチンでカーシェア拡大の布石

米ハワイ州で展開しているカーシェアサービス「Hui」

 トヨタ自動車はアルゼンチンのブエノスアイレス市で、カーシェアリング事業を始めた。現地の自動車販売会社7社がステーションを提供し、合計85台の車両でサービスに着手した。トヨタが中南米でカーシェアを手がけるのは初めて。日米欧に加え、カーシェアサービスを展開する国や地域を広げて将来の事業基盤を整備する。

 トヨタがアルゼンチンで開始したカーシェアサービスの名称は「トヨタモビリティーサービス」。現地で販売する乗用車やオフロード車、スポーツカー、ハイブリッド車(HV)などをそろえた。時間や日単位で車両を貸し出す。ブエノスアイレス市と周辺都市で利用できる。

 トヨタは2018年に米ハワイ州で販売代理店が主体のカーシェアサービス「Hui(フーイ)」を始めた。欧州でもサービス名「YUKO(ユコー)」を提供している。日本でも販売店の試乗車を利用するカーシェアを12月に東京都中野区で導入、19年2月には都内全域に広げて全国展開も視野に入れる。

 ハワイやデンマークとスペイン、日本のサービスは、カーシェアに必要な専用アプリケーション(応用ソフト)など幅広い基盤技術を備えるトヨタのモビリティーサービスプラットフォーム(MSPF)を活用している。アルゼンチンでは現時点でMSPFは使用していないという。

 トヨタは10月にソフトバンクグループ(SBG)と移動サービス事業で業務提携し、乗り物のサービス化「MaaS(マース)」の本格展開を計画するなど新たな事業形態を模索している。
日刊工業新聞2018年12月17日

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