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MRJ年明けに重要関門に挑む、三菱航空機は突破に自信

型式証明取得審査に当たるTCフライト
 三菱航空機(愛知県豊山町)の水谷久和社長は19日、報道陣の取材に応じ、国産小型ジェット旅客機「MRJ」の型式証明(TC)取得審査に当たるTCフライトを、2019年初頭にも始められるとの見通しを示した。航空当局が詳細を決めることとしつつ「事前の説明作業を終え、年明けにも始められると期待している」と述べた。

 量産初号機の20年半ばの納入前に、TCフライトで航空当局による飛行試験などをクリアする必要がある。水谷社長は「TCフライトで開発に影響が出ることは起きないと思っている」と自信を示した。

 初号機納入後を見据え、カスタマーサポートの整備も進める。米ボーイングの支援を受け、補給部品、パイロットの訓練など航空会社へのサポートを充実させる。

 MRJ90(座席数88席)に続くMRJ70(同76席)については、開発コンセプトを固める作業に入ったとして、「90にない新技術の採用を検討する」と述べた。投入時期は、90の納入1年後とした従来方針にこだわらない考えを示した。米国では、航空会社とパイロット組合の労使協定が緩和されなければ90を運航できないため、70の開発を本格化する。
TCフライトは年明けにも…と水谷社長
日刊工業新聞2018年12月20日掲載

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