異常気象もこれで予測できる!? ドローン27機の隊列走行で観測

eロボティクス福島などシステム開発、実証へ

異常気象の数値予測や集中豪雨の予測精度向上が期待される(イメージ)
 eロボティクス福島(福島県南相馬市)、東日本計算センター(同いわき市)、日本環境調査研究所(東京都新宿区)、五百部商事(宇都宮市)と会津大学などは、飛行ロボット(ドローン)を隊列飛行させ地上へ通信する3次元空間情報収集システムを開発、17日から福島県内で実証に乗り出す。高度1000―2000メートルの高さで、水平移動距離1000メートルの空間情報を収集、気象情報などを観測する。飛行制御と同時通信を実証実験で確立し、同システムを2019年度末に事業化する予定。

 これまで空間情報は全地球測位システム(GPS)ゾンデなどで収集してきたが、ピンポイントのため、観測位置が制御できない問題がある。開発中の3次元空間情報収集システムは、「福島県イノベーション・コースト構想」に基づく事業として進めている。

 高度飛行ができるドローンを開発し、隊列飛行させて一定の空間でホバリングさせる。各種センサーで得た情報を同時に地上へ通信、3次元で空間情報を精密に収集する。高度が2000メートルに及ぶため、強風に耐える高推力の小型ドローンを開発。このドローン27機を隊列飛行させ高さ1000―2000メートル、水平移動距離1000メートルの空間に500メートル間隔で配置する。

 ドローンは気象センサーや、各種計測機器を搭載し、温度、湿度、気圧、風向、風速などを同時に観測できる。異常気象の数値予測や集中豪雨の予測精度向上、有害ガスの飛散分析などさまざまな効果が期待できる。

 実証は17日から楢葉町の総合グラウンドで段階的に行う。19年1月中旬までに27機の隊列飛行を90メートルの高さで実施。高度2000メートルの飛行は19年度に県が南相馬市に整備するロボットテストフィールドでの実施を目指している。事業化は19年度末の予定で、同システムの販売や受託観測事業の受注などを検討している。

 ドローンはバッテリーを搭載し、30分飛行するうち20分間を観測に充てる。「ドローン同士の接触が起きないように所定の位置に飛ばし、500メートル幅で空間を多点観測して2000メートルの距離を同時に通信(秒単位の間隔)するハードルの高い技術」(関係者)となる。

日刊工業新聞2018年12月17日

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