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ドローンと搬送ロボがタッグ、マンションの部屋まで荷物お届け

千葉市が実証実験
ドローンと搬送ロボがタッグ、マンションの部屋まで荷物お届け

小包を積載したドローンが駐車場に着地

 千葉市は24日、飛行ロボット(ドローン)と地上を走行する無人搬送ロボットの組み合わせによる物質輸送の実証実験を千葉市美浜区の幕張新都心で実施した。都市部でのドローン宅配を実現するための取り組みの一環。今回はドローンで空輸した小包を地上で搬送ロボに積み替え、マンションの一室の玄関までスムーズに届けられるかを初めて検証した。

 同実験は国家戦略特区の指定で設置された「千葉市ドローン宅配等分科会」が主催。同分科会に参画する楽天が主体となり、幕張新都心内のマンションモデルルームで行った。

 実験では小包を積んだドローンが緑地や空き地の上空を約1キロメートル飛行し、モデルルームの駐車場に着地。ドローンから搬送ロボに小包を積み替える作業は人手で行った。

 実験を見守った熊谷俊人千葉市長は「ドローンの飛行や荷物の受け渡しはスムーズ。実現に一歩近づいていることを実感した」と話し、今後もドローン宅配の実証実験支援を推進する考えを表明。無人宅配システムの実用化を目指す楽天の向井秀明ドローン・UGV事業部ジェネラルマネージャーは「(実用化には)住宅のドアの前までしっかりと荷物を届けるソリューションの構築が必要で、今回はその一歩になった」と強調した。

小包を積み替えた搬送ロボが玄関まで配送
日刊工業新聞 2018年10月25日
梶原洵子
梶原洵子 Kajiwara Junko 編集局第二産業部 記者
無人物流は都市部のほか、既存の物流網の維持が難しい過疎地域でも実用化が期待されています。

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