アステラス製薬、細胞医療加速、まず眼科領域で足場

 アステラス製薬は13日都内でR&D説明会を開き、生きた細胞を利用して組織や臓器の機能を再生する細胞医療において、他家由来の多能性幹細胞を使って幅広い細胞製品の商業化を目指す方針を示した。短期的には眼科領域で足場を築く考え。2030年ごろには多くの患者が細胞医療の恩恵を受けていると予想し、それに向けた準備を急ぐ。

 細胞医療は既存の薬物療法では達成困難な治療効果を実現可能と考えられている。アステラスは他家由来の多能性幹細胞は免疫拒絶の懸念があるものの、大量製造が可能で製剤に必要な期間も比較的短いことなどから商業化がしやすいと判断。今後、多分化能を保持した安全な多能性幹細胞の確保や、免疫拒絶反応の回避といった課題の解決を図る。

 対象疾患領域は眼科を足掛かりとする。萎縮型加齢黄斑変性や、その他の黄斑変性が対象の「ASP7317(開発コード)」が臨床段階に入っている。

 経済産業省は、再生医療の世界市場が50年に38兆円へ達すると予測する。R&D説明会に登壇したアステラスの安川健司社長(写真)は、「これだけ成長の余地がある領域なので我々も参入したい。参入するからには世界のトップランナーか、それに匹敵するポジションを狙う」と述べた。

日刊工業新聞2018年12月14日

  

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