12万台のエコ運転を指南。燃費12%改善
オリックス自動車のテレマティクスサービス
オリックス自動車(東京都港区)は、エコドライブを支援するテレマティクスサービス事業で車両1台の燃費を平均12%改善した。10万台以上の車両に採用されており、年4万5000トンの二酸化炭素(CO2)排出削減が期待できる。2006年からのCO2排出削減実績が評価され、環境に配慮した製品の購入を推進する「第17回グリーン購入大賞」(グリーン購入ネットワーク主催)にも選ばれた。
テレマティクスは自動車などの移動体への通信サービス。オリックス自動車は企業の営業車の走行データを通信システムを介して取得し、エコドライブや安全運転を支援する「e―テレマ」「e―テレマプロ」を提供している。06年にサービスを開始し、15年9月時点で1800社、12万1000台の導入実績がある。
走行データは車両に搭載したデジタルタコグラフ(デジタコ)が記録し、サーバーに送信して蓄積する。速度超過などの危険運転があると、すぐに企業の管理者にメールが届く機能もある。
デジタコのメーカーは多く、企業も簡単に購入して搭載できる。オリックス自動車リスクコンサルティング部の竹村成史部長は「装着して終わりではない。我々は運用を支援している」と強調する。機器売りではなく、コンサルティングが同社のメーンだ。
採用を決めた企業の車両にデジタコを取り付けた直後は、簡単な説明にとどめドライバーには普段通りに運転してもらう。しばらくしてデータを管理者に示すと、「これがうちの社員か」と驚かれるという。速度超過や急加速の回数、アイドリング時間が記録されているからだ。同一性能の車でもドライバーによる燃費の差も一目瞭然となる。
オリックス自動車はデータを解析し、企業と目標を決める。導入済みの12万台から集めた”ビッグデータ(大量データ)“が裏付けとなり、説得力を持った提案ができる。ドライバー別の燃費実績が分かる表を掲示するなど、エコドライブを意識づける方法も助言する。
運転が「可視化」されたドライバーは、無理な運転を控えるのでエコドライブが促される。ガソリン使用量を23%削減できたり、事故が減って自動車保険料の支払い額が55%減った企業もあった。経費節減以外の効果もある。「運転から体調や精神状態も分かる」(竹村部長)といい、社員の病気の発見につながったケースもあった。
国全体の30年度までのCO2排出削減目標は13年度比26%減。車両を含む運輸部門は13年度比27%減が設定されている。テレマティクスによるエコドライブの普及も、目標達成に貢献しそうだ。
(文=松木喬)
テレマティクスは自動車などの移動体への通信サービス。オリックス自動車は企業の営業車の走行データを通信システムを介して取得し、エコドライブや安全運転を支援する「e―テレマ」「e―テレマプロ」を提供している。06年にサービスを開始し、15年9月時点で1800社、12万1000台の導入実績がある。
走行データは車両に搭載したデジタルタコグラフ(デジタコ)が記録し、サーバーに送信して蓄積する。速度超過などの危険運転があると、すぐに企業の管理者にメールが届く機能もある。
デジタコのメーカーは多く、企業も簡単に購入して搭載できる。オリックス自動車リスクコンサルティング部の竹村成史部長は「装着して終わりではない。我々は運用を支援している」と強調する。機器売りではなく、コンサルティングが同社のメーンだ。
ドライバーの差、歴然。体調や精神状態も分かる
採用を決めた企業の車両にデジタコを取り付けた直後は、簡単な説明にとどめドライバーには普段通りに運転してもらう。しばらくしてデータを管理者に示すと、「これがうちの社員か」と驚かれるという。速度超過や急加速の回数、アイドリング時間が記録されているからだ。同一性能の車でもドライバーによる燃費の差も一目瞭然となる。
オリックス自動車はデータを解析し、企業と目標を決める。導入済みの12万台から集めた”ビッグデータ(大量データ)“が裏付けとなり、説得力を持った提案ができる。ドライバー別の燃費実績が分かる表を掲示するなど、エコドライブを意識づける方法も助言する。
運転が「可視化」されたドライバーは、無理な運転を控えるのでエコドライブが促される。ガソリン使用量を23%削減できたり、事故が減って自動車保険料の支払い額が55%減った企業もあった。経費節減以外の効果もある。「運転から体調や精神状態も分かる」(竹村部長)といい、社員の病気の発見につながったケースもあった。
国全体の30年度までのCO2排出削減目標は13年度比26%減。車両を含む運輸部門は13年度比27%減が設定されている。テレマティクスによるエコドライブの普及も、目標達成に貢献しそうだ。
(文=松木喬)
日刊工業新聞2016年1月25日環境面