IT企業の新人研修、“合同開催”の利点とは?

業界団体が中小企業の新人教育を支援、人事担当者の悩みも共有できる

 新人研修に専任担当者や時間を充てられない中小企業を中心に連携することで社員教育の成果を上げている。国内ソフトウエアベンダー約80社で組織するメイド・イン・ジャパン・ソフトウエア・アンド・サービス・コンソーシアム(MIJS、東京都港区、内山雄輝理事長、03・6435・8990)は、加盟社の新入社員の合同研修を毎年実施。人事担当者や社員のつながりを通じ、IT業界の発展につなげたい考えだ。

 MIJS加盟各社の合同新人研修を通じ、新入社員は他社社員と交流できる。人事担当者も加盟社同士で研修ノウハウを学ぶことができる。担当者の一人でシステムインテグレータの門間克明氏は「人事担当者同士のつながりにより、悩みを共有できるなど効果は大きい」と話す。

 カリキュラムは年3回。4月入社後にビジネスマナーなどを学ぶ基礎研修を行う。8―9月に入社後の実務経験をチェックするフォローアップ研修を実施する。11月には社員4―5人が一つのチームとなって、MIJSから提示された課題の解決策を発表するプレゼンテーション大会を開く。

 11月末のプレゼンテーション大会は12社69人が参加した。事前に自然災害対策、労働人口減少問題の解決など提示した4テーマから同じテーマに関心を持つ社員同士でチームを編成。予選、決勝と参加者、人事担当者、加盟社役員が採点し、スマートフォンなどを使って投票した。

 優勝チームのリーダーのジェイエムテクノロジー(福岡市博多区)の山口舞子さんは「普段は新人が自分一人だけの拠点にいるので他社の社員と一緒にやれてよかった」と振り返った。チームで意見をまとめる能力を養うこともできたようだ。内山MIJS理事長は「これを機にしっかり連携をして互いに切磋琢磨(せっさたくま)してほしい」と期待感を示していた。

 新人教育に十分な時間や体制が取れない中小企業でもノウハウを持ち寄ることで対応できる。MIJSは合同新人研修などを通じ、加盟社間のビジネス連携も促す方針だ。
(文=編集委員・渡部敦)

日刊工業新聞2018年12月11日

  

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