地方大会出場
ETロボコンへの参加はSCSK車載システム事業本部の新人研修の一環。4月から10月までの半年間を研修期間と定め、うち7月からの約40日間をETロボコンの地方大会出場に費やす。車載システム事業本部事業推進部企画課の小泉潤一郎課長はロボコンへの参加を「モノを動かす技術とチームワークを学ぶ機会」と位置付ける。
SCSKは2016年からETロボコンへの出場を新人教育のメニューとして実施している。18年は2チームがチャンピオンシップに進んだ。ETロボコンは複数の競技部門がある。同社は、ロボット(走行体)は各チーム共通でシステム構築の違いで順位を争う「デベロッパー部門プライマリークラス」に出場している。カラーセンサーやジャイロセンサーなどを搭載した2輪ロボが、黒線で描かれたコースをトレースして自律走行するタイムを競う。シーソーや車庫入れなど難所をクリアするとボーナスタイムが取得できるルールだ。
新入社員のシステム構築を支援する車載システム事業本部事業推進部企画課の多和田浩文さんは「例えばカーブを曲がる際は、先を予測しながら左右のタイヤの回転を変えなければ円滑に曲がらない。スピードも走行状態(アウトプット)を判断しながらロボに取り込み(インプット)調節する必要がある」と制御の難しさを語る。
経験生かす
今回同社の2チームは優勝できなかった。ただ、チャンピオンシップ大会に出場した車載事業本部東日本システム第一部の武内貴裕さんは「チームとして目標を持ってプロジェクトに取り組めた。(大会当日も)予想した通りの走行ができた」と成果を語る。同じく同東日本システム第一部の中里柊太さんは「これまで取り組んできたことを全部は出し切れなかったが、組み込み技術を楽しんで学べた。業務でも経験を生かして上を目指す」と成長を誓った。
成長に期待
コネクテッドカー(つながる車)や自動運転などITと自動車技術の融合が加速し、組み込みエンジニアの重要性が高まる。「実際に対象物をみながらシステムを確認できることが組み込みの醍醐味(だいごみ)。楽しみながら技術を理解してほしい」(小泉課長)と新入社員の今後の成長に期待を膨らませている。
(文=川口拓洋)
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