“オール佐賀”で産業をスマート化

10月に支援拠点を開設、ソフト面の支援も充実させて相乗効果を図る

IoT導入、協力登録企業結ぶ


 佐賀県が人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)の導入支援を加速している。核となるのは10月に佐賀市内に正式オープンした「佐賀県産業スマート化センター」。ベンダーとユーザーの接点をつくるなどAIやIoTの活用を促進するハブ機能が期待される。ソフト面の支援も充実させセンターとの相乗効果を狙う。

 「市場ニーズに向き合い、英知を結集して佐賀の地から世界に科学技術力を発信する」。センターのオープン初日に佐賀県の山口祥義知事は力を込めた。2018年は明治維新150年。県には佐賀藩が鉄製の大砲や蒸気船をいち早く製造するなどモノづくり技術で日本をリードしていたことが念頭にある。

 同センターは佐賀県工業技術センター内にあり、県内外企業のデモ機10種類以上を展示している。例えば、稼働設備の故障の予兆を捉え、事前に保守対応可能な工場向けソリューションのほか、仮想現実(VR)ゴーグルの体験、飛行ロボット(ドローン)などがある。利用は製造業に限らず農業やサービス業も想定する。

 県はIoTの普及に向けて「サポーティングカンパニー制度」を設けた。導入支援に協力できる企業を募って登録する制度で、県内外のIT関連企業64社がある。スマート化センターには運営会社EWMファクトリー(佐賀市)の1―2人が常駐。訪問者が抱える問題点を整理し、必要があればサポーティングカンパニーにつなぐ。EWMファクトリーのグループ会社であるEWMジャパン(東京都千代田区)の友納健一郎社長は「オール佐賀でデジタル、スマート化の波に乗っていこう」と呼びかける。

 展示するデモ機やソリューションは今後増やす考え。経営者や技術者など対象別のセミナーも定期的に開催する。これまで技術に気楽に触れてもらおうとゴルフコンペでインパクトセンサーや弾道測定などを体感してもらう企画も実施した。

 ITの活用は生産性向上や業務効率化に大きな役割を果たしうる。限られた事業者だけでなく技術利用のオープン化を進め利用者を増やすことが重要だ。導入したいが方法がわからない人を呼び込めるかがスマート化センターを生かすカギとなる。
(文=西部・増重直樹)

  

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