“支店経済”脱却したい…日本一起業しやすい街を目指す仙台市

起業支援施設が好調

 仙台市産業振興事業団(仙台市青葉区)の起業支援施設「アシ☆スタ」が好調だ。施設に併設する「交流サロン」の利用会員登録数は、2018年9月に1000人を突破し、26日にはサロン開設3周年を迎える。施設は多くの起業家を輩出。「日本一起業しやすい街」を掲げる仙台市の顔として認識されつつある。

 「アシ☆スタ」は14年1月、仙台市産振事業団内に設置された。相談件数は飛躍的に伸び、17年度には12年度比約4・5倍の1175件。開業件数は同約6倍の114件となった。これまで支援後に開業した件数は400者以上ある。

 女性の相談件数の方が男性より多いのが大きな特徴。「どんなささいなことでも相談できる優しい施設を目指してきた」(赤羽優同事業団起業支援課長)結果だという。

 取り組みの一つが「交流サロン」の設置だ。施設ではセミナーや交流会など、年約100回のイベントを主催する。以前は会終了後に集まるスペースがなかった。現在は多くの起業家が集まる場として親しまれている。セミナーを開催する際は安価で利用できる託児サービスも必ずつける。

 相談員は常勤を含めて計9人を配置。中小企業診断士のほか、広報の相談ができるライターやITに詳しい税理士、登記に精通した行政書士など多様なメンバーをそろえる。開業候補地に相談員が随行するなど、丁寧な対応も評判だ。

 18年に法人化した留学プランニング会社「JAPANESE STANDARD」(仙台市宮城野区)の秋葉淳社長も「書類実務の相談に親身に対応してくれ、事業内容にも鋭い意見をもらった」と語る。同事業団によると、利用者の開業後2年間の存続率は8割以上と全国比で2割ほど高い。「開業前の支援にカギがあるのでは」(赤羽課長)と語る。

 仙台市では今後もさらに起業支援に注力し、“支店経済”に過度に依存した産業構造からの脱却を図りたいとしている。
(日刊工業新聞社・田畑元)

日刊工業新聞2018年10月26日

  

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