セブン―イレブンの“野菜工場”はどんな仕組み?

2019年1月稼働、まずはリーフレタスから

 コンビニをはじめとした小売りにとって、異常気象による野菜の生育不良や価格高騰は悩みのタネ。こうした中、セブン―イレブン・ジャパンはサラダやサンドイッチなどに使う専用の野菜工場を2019年1月に相模原市で稼働する。最新技術で自動化を追求した野菜工場は屋内で生産するため、天候に左右されず、安定調達が期待できる。弁当や総菜の中食で一気に競合他社との差を広げる。

 新工場では、種まきから収穫まで自動化技術を導入し、3種類のリーフレタスの生産から始める。生産能力は1日約3トン。工場内でLEDの光制御技術を駆使した水耕栽培によって、安定調達を可能にした。今後、ホウレンソウやイチゴ、パクチー、水菜の生産も検討中だ。セブン―イレブンが専用の野菜工場を稼働するのは初。古屋一樹セブン―イレブン・ジャパン社長も「この工場ができたことは(安定調達の)第一歩と期待している」と話す。

 工場はプリマハムの子会社で、セブン―イレブン向けの総菜などを生産するプライムデリカ(相模原市)が、60億円を投じて敷地内に建設した。6階建てで、延べ床面積は7872平方メートルで、栽培面積は3740平方メートル。

 生産方法は玉川大学と共同開発した。「コマ」と呼ぶ樹脂製の台(縦7センチ×横3センチメートル)に自動で寒天が注入されて種がまかれる。その後、コマを24時間暗所に置き、発芽を促進させる。次にコマを栽培棚に運び、生育状況に合った波長のLEDを照射する。LEDを制御することで、露地栽培に比べ、1株当たりのビタミンCは約2倍の40ミリグラムと多い。「栄養機能食品として販売できる量」(プライムデリカ)という。

 種まきから38日で1株140グラム程度に成長する。露地栽培の半分の日数で収穫できる。自動化による管理で鮮度も上がった。収穫したレタスは隣接する食品加工工場でサラダやサンドイッチに使われ、神奈川県や東京都の店舗に出荷される。

 日本惣菜協会によると、中食市場のシェアはセブン―イレブンが14・1%で年々伸長している。コンビニのほかスーパーやドラッグストアなども参入し、市場規模も拡大の一途をたどる。専用工場直送の鮮度の高い野菜の使用が商品の差別化につなげられれば、今以上のシェアアップも確実なものになる。
(文=編集委員・丸山美和)

日刊工業新聞2018年12月5日

  

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