ADHDの脳、皮質の厚さや面積に特徴。検査時間はわずか5分間

 福井大学子どものこころの発達研究センターの友田明美教授、ジョン・ミンヨン特命助教らは、人工知能(AI)を使い、注意欠陥多動性障害(ADHD)の子どもの脳の特徴を明らかにした。脳の磁気共鳴断層撮影装置(MRI)画像から、ADHDに関係する脳構造と遺伝子多型、症状の程度との関連も確認できた。検査時間はわずか5分間で、子どもの負担も少ない。ADHDの診断支援用のバイオマーカーとして活用が期待される。

 ADHDは、気が散るといった不注意や落ち着きがない多動性などを特徴とする発達障害の一種で、国内の有病率は8%前後とされる。診断には国際的な基準が用いられるが、臨床では正確な症状の把握や他の障害の症状と鑑別が困難であるという問題があった。

 研究チームは、同大学の39例のADHD児と34例の健常児、合計73例の男児についてMRIで脳を検査した。得られた画像をAIで解析すると、ADHDには脳の皮質の厚さや面積に特徴があることが分かった。

 この特徴をもとにした診断精度は同大学では79%、米、中の症例に対しては73%だった。

 ADHDに関連する遺伝子の多型について調べると、特定の遺伝子タイプについては、脳の構造的な特徴とADHDの症状の強さとも相関が認められた。

 成果は3日、英科学誌セレブラル・コルテックスに掲載された。

日刊工業新聞2018年12 月5日

  

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