養鶏場の新たな収益源に、糞尿を燃料に転換するシステム

アグリルなど発売

 アグリル(茨城県筑西市、加賀見保明社長、0296・52・9110)は、ラサ工業、IHI環境エンジニアリング(東京都江東区)と共同で採卵鶏ふん尿を利用した熱供給システム「KoCona(ココナ)システム」を発売した。養鶏場で排出する鶏ふん尿を燃料に変換する。価格は仕様により異なるが、2億円程度を想定。

 まず、茨城県内15万羽規模の養鶏場を中心に提案し、初年度約4億円、20年度までに30億円の売り上げを目指す。

 ラインアップは処理量で4トン、8トン、15トン、25トン、50トンの5タイプを用意。15万羽養鶏場向けとなる15トンの処理システムは、6トンの生成したバイオマス燃料「KoCona(ココナ)」を生成し、約2万キロワットの熱エネルギーに変換する。

 システム構成は、アグリルの減圧発酵乾燥機「KoConaARC(ココナエーアールシー)」に、ラサ工業が開発した粉砕機「KoConaACE(ココナエース)」を組み合わせて採卵鶏のふん尿を乾燥・粉砕し、ココナを生成する。ココナをIHI環境エンジが開発したバイオマス温水ボイラ「KoConaHOT(ココナホット)」で燃焼し、熱エネルギーを供給する。

 導入事業者は熱エネルギーを暖房設備などに活用できるほか、温浴施設など熱エネルギーが必要な他事業者への販売も可能。

 約1万羽の1日当たりの排せつ量は約1トンで、処理費用は平均3000円、成分次第で1万円程かかる場合もあるという。同システムを処理費用が負担となっていた養鶏場の新たな収益源として提案し、普及を図っていく。

日刊工業新聞2018年11月29日

江原 央樹

江原 央樹
12月04日
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わが国の農林漁業においては、地球温暖化の影響による天候不順・台風や地震等による災害の多発化・激甚化、少子高齢化による担い手の慢性的な不足、魅力ある農林漁業実現に向けた高付加価値の特産品開発などさまざまな経営上の課題がある。これらの対応にあたっては、天候や地域の気候に左右されない屋内施設や屋内環境管理、重労働軽減などの目的に応じた設備機器・システムの導入や効率的な運用が必要となる。また、これらの設備機器・システムの作動には電気や熱といったエネルギーが新たに必要になり、地域に眠る再生可能エネルギーや未利用エネルギーの活用による農林漁業におけるエネルギーの地産地消に注目が集まりつつある。国も農林水産省が中心となり支援を強化している。今回のように、家畜糞尿の減容化とエネルギーとしての利用は、全国的にみて、畜産業における共通した取り組み課題であり、初期投資の少ないモデルとして注目を集めそうだ。

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