製造業が火花を散らす“コマ大戦”で若手を育成!

今春から参加の正田製作所、地元開催に向けて半年以上も研究・特訓を重ねてきた

 コマ作りで社内の技術力向上へ―。正田製作所(群馬県桐生市、黒岩興樹社長、0277・74・2421)が、8日に地元で開催される「全日本製造業コマ大戦」に向けて、社内で出場チームを編成し、特訓に励んでいる。ベスト8以上の成績を目指しつつ、社内のモノづくりのスキルアップにつなげる“一挙両得”を狙った取り組みだ。

 全日本製造業コマ大戦は、直径2センチメートル、高さ6センチメートルの自作のコマを競わせるイベント。同社の従業員が出場するのは、8日に桐生商工会議所で開催される「桐生場所」。群馬県桐生市で開催される初めての大会だ。

 同社は、ステアリングなどの自動車部品を製造する。「企画、開発、生産、評価といったモノづくりのプロセスをコマ作りに応用でき、若手の技術力向上に役立つ」(正田勝啓会長)と判断し、今春からコマ大戦へ参加している。

 地元開催の今大会には、社内で熟練技能者と今年入社した若手の2チームを編成した。毎週金曜日の終業後、参加メンバーは5時間程度社内に残り、競技に勝てるコマ作りの研究を半年以上にわたって続けてきた。

 自動車部品を手がける従業員にとって、旋盤による切削加工はお手のもの。しかし、加工技術に関するノウハウだけでは競技に勝てる強いコマは作れない。「材料の選択や形状の最適化、さらに想定通りに回るか否かを解析するなど、さまざまな工夫の余地がある」(同)ためだ。

 こうした取り組みを重ねることで、人材育成の面で効果をもたらしている。斉藤祐次取締役営業部長は「顧客のニーズに対応した性能を確保するモノづくりのプロセスを学ぶだけでなく、競争心が身につき、チームワークも高まる」と指摘。コマ大戦に参加することの意義を強調する。

 初めて参加した3月の大会では初戦敗退。しかし、6月の大会で初勝利を挙げ、10月の大会ではベスト8まで勝ち上がるなど、着実に階段を上ってきた。

 初の地元開催で39チームが参加する今大会で過去最高となるベスト8以上の成績が目標だ。参加する若手従業員らも「社内のアイデアと技術を結集したコマを作り、従業員全体を盛り上げたい」と意気込んでいる。
(文=群馬支局長・古谷一樹)

日刊工業新聞2018年12月4日

  

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