いろいろ“重工”はあるけれど、川重が「宇宙ゴミ収集」衛星に参入

20年に軌道上実証へ

 川崎重工業はスペースデブリ(宇宙ゴミ)捕獲用の超小型衛星事業に参入する。質量60キログラム級の衛星を開発し、2020年にも軌道上でのデブリ除去技術を部分実証する予定。一定以上の大きさを持ち、宇宙空間で追跡可能な宇宙ゴミは2万個以上あると言われる。人工衛星や宇宙機が破壊される恐れがあり、国際的に対策が求められている。川重は国家プロジェクトに参画する形での事業展開を見据え、実用化を急ぐ。

 川重はロケット上段を除去の対象として捕獲システムを開発中。ロケット上段までの相対距離と角度を計測する接近用画像センサーと捕獲機構で構成し、衛星分離部の内側を4本の伸展ブームで固定する仕組み。同システムを独自開発のデブリ除去衛星に搭載する。

 実証試験では縦60センチ×横60センチ×奥行き80センチメートル級の超小型衛星に疑似デブリを取り付け、宇宙空間で放出し、再び捕獲する計画。小型固体燃料ロケット「イプシロン」で打ち上げる革新的衛星技術実証の公募に応募した。

 今後、航空機・宇宙機器を手がける岐阜工場(岐阜県各務原市)に、衛星に指令を送るためのアンテナを取り付ける予定だ。川重は基幹ロケット向けのフェアリングに次ぐ、宇宙事業の柱に育てていく考えだ。

 宇宙ゴミをめぐり、政府は宇宙開発計画の実施方針を示した「宇宙基本計画工程表」の改訂版で基本的な取り組みの方向性を整理する見通し。17年末には日本と英国の政府間で宇宙ゴミ対策の協力覚書(MOU)「日英宇宙デブリ産業イニシアチブ」に署名している。

日刊工業新聞2018年11月29日

  

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