中国が工作機械に反ダンピング調査、日本への影響は?

日工会会長「対象広がれば大きなダメージも」

 日本工作機械工業会(日工会)の飯村幸生会長(東芝機械会長)は22日に開いた定例会見で、中国が日本の一部工作機械を対象に反ダンピング(不当廉売)調査を始めたことについて、「当会会員や日本企業が中国で不当廉売をするとは考えにくい」との認識を示した。その上で、他の機種に対象が広がれば「非常に大きなダメージになる」と危惧した。

 飯村会長は「困惑している。中国側の真意を測りかねている」との心中を明かした。中国は11月に工作機械の関税を引き下げたばかり。困惑も当然だ。

 日工会は中国商務部の決定を受け、20日に商務部に質問状を提出した。中国が指摘する「立型マシニングセンター(MC)」の定義が広く、対象機種の「範囲の特定」「特殊機などの除外」を求める内容とした。自動車部品の生産ラインなどに組み込む専用機、超高精度の加工に特化した機種などを意図したとみられる。

 不当廉売が認定されると最大119%の不当廉売関税が適用される。ただ、日本製の機種は加工精度など性能に優れるために「代替えはそう簡単ではない」(飯村会長)と中国製への置き換えは困難とみる。そのため、「一番迷惑を受けるのは顧客だろう」(同)と指摘。会見に同席した稲葉善治副会長(ファナック会長)も「負担するのは中国マーケットの顧客になる」と日本メーカーではなく、中国顧客に影響が生じるとの見解をそろって示した。

 中国の工作機械関連団体は11月3日、日刊工業新聞社の質問に対し、「各レベルで情報交換すべきだ」(幹部)と、解決に向けた双方のパイプ役になる考えを語っている。

 この問題は、中国商務部が10月16日に中国で販売する日本製と台湾製の立型MCの不当廉売の調査を開始したと発表。中国で立型MCを販売するのは、商務部の公告に例示されたオークマ、ファナック、ジェイテクト、ブラザー工業、ヤマザキマザックの5社など計20社強に上るようだ。

 11月上旬までに11社が調査協力を申し出る「応訴」をし、うち3社のファナック、ブラザー工業、牧野フライス製作所が「サンプル」企業として調査対象に選ばれた。最大18カ月をかけた調査で、不当廉売と認定されれば、最大119%の関税が適用される。

日刊工業新聞2018年11月23日

  

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