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工作機械受注23カ月ぶり減、空前の活況は終わり?

国内堅調・中国に陰りも「基調が変わったとまでは言えない」
工作機械受注23カ月ぶり減、空前の活況は終わり?

今月開催された「日本国際工作機械見本市」は大盛況だった

 日本工作機械工業会(日工会)がまとめた10月の工作機械受注実績(速報値)は、前年同月比1・1%減の1391億7700万円だった。減少は23カ月ぶりとなる。国内はプラスを維持したが、外需の減少が響いた。工作機械市場は国内外の旺盛な設備需要を受け、空前の活況が続いた。ここにきて中国の変調を指摘するメーカーもある。日工会は「基調が変わったとまでは言えない」と好調維持を強調する。

 工作機械受注は単月1000億円が好不調を分ける目安とされており、10月の約1400億円は依然高水準。内訳は内需が同1・1%増の573億4700万円、外需は同2・5%減の818億3000万円だった。

 外需は2カ月ぶりの減少だが、10月としては過去3番目の高実績だ。減少は、比較対象の前年10月が当時の過去最高額と極めて水準が高かったことが主要因とみられる。

 内需は21カ月連続の増加で、10月としては2008年のリーマン・ショック後の最高額を記録した。11月1日から2年に一度の工作機械の大型展示会が予定されており、買い控えが懸念される中での増加だった。9月決算の翌月だったことも加え、「それでも増加したのは国内投資が堅調な証だ」(日工会)と指摘する。しかし、減少に転じ、一部で中国受注に陰り出ているのも事実。日工会は先行きを「11月実績を踏まえ見極めたい」と慎重に判断する。
                
日刊工業新聞2018年11月13日

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