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キリンが始める“留職”制度、新興国で若手社員に課題解決させる理由は?

グローバルなビジネスリーダー育成を急ぐ
キリンが始める“留職”制度、新興国で若手社員に課題解決させる理由は?

留職制度を通じて、CSV経営を支える人材の早期育成につなげる

 キリン(東京都中野区、磯崎功典社長、03・6837・7001)は、統括する国内事業会社を含めてビジネスリーダーを育成する目的で、海外で課題解決の事業に取り組む「留職」制度を始める。33歳以下の社員を対象に新興国の民間非営利団体(NPO)や企業に派遣。単なる留学ではなく現地で社会課題に取り組む原体験を通じて、キリンが目指すCSV(共有価値の創造)経営を支える人材の早期育成につなげる。

 留職の初回の対象者はキリン、キリンビール、キリンビバレッジ、メルシャンの原籍社員から1人。選出者は新興国のNPOなどに派遣し、本業を生かしながら現地の社会課題の解決に取り組む。候補地ではグループのビール会社があるミャンマーが挙がっている。同制度は特定非営利活動法人のクロスフィールズの海外派遣プログラムを活用する。

 すでに対象の公募を開始。12月下旬には対象者を決定する。派遣準備を経て、2019年4月に現地に派遣し業務を開始する。10月に留職を修了し、新任務に就く。参加した社員は派遣による経験・知見を最大限に活用できる部署に配属する予定。

 留職制度は初回の内容について、課題や成果を踏まえて今後の継続を検討する。

 キリングループはCSV経営を推進している。「健康」「地域社会」「環境」の3分野を中心に社会課題の解決と新たな価値創造の両立を目指す。今後グループ内でグローバルに対応できるビジネスリーダーの育成が急務としており、この一環で留職制度を活用する。
日刊工業新聞2018年11月21日

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